Windows Vistaのスローガン「次世代プレミアム」
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VistaのCMのナレーターを務める中嶋朋子氏もビデオで登場
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「VAIOの国内投入から10年」と語るソニーの石田氏
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デルは1世代前のモデルでもVistaに対応するとリー氏
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「Portege R400」を手にする東芝の能仲氏
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NECの高須氏は、Media Centerに付加する独自機能をアピール
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日本ヒューレット・パッカードは一般消費者向けPCにも注力、と岡氏
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パーソナルテレビとしての機能強化を訴求した日立製作所の金子氏
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富士通の山本氏が説明した「FMV-TEO」
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ビジネスユーザー向けパソコンを紹介したレノボ・ジャパンの天野氏
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 マイクロソフトが2007年1月15日に開催した「Windows Vista」「2007 Office system」の発表会で、同社のWindows本部長であるジェイ・ジェイミソン氏がVistaの販売促進に向けた施策を発表した。また主要パソコンメーカー8社の幹部も登壇し、自社の取り組みや意気込みなどを語った。

 ジェイミソン氏はまず、Windows Vistaのスローガンを「次世代プレミアム」とすると発表。この言葉には、Vistaがユーザーに対して「新しいプレミアムな体験」を提供するとのメッセージが込められているという。プレミアムな体験とは「パソコンをメールやインターネットのためだけに使うのではなく、それらを超えたさまざまな体験ができるようになる」ことを指す。動画や音楽を手軽に楽しめる、拡張されたネットワーク機能にシンプルにアクセスできる、などの具体例を挙げた。

 こうしたVistaの価値を伝えるには「直接触って体験してもらう以上の訴求方法はない」(ジェイミソン氏)として、発売直前の2007年1月27~28日に、表参道ヒルズや全国の主要量販店約90店舗において、Vistaや2007 Office systemのデモなどを実施することを明らかにした。また、手持ちのパソコンでVistaが動作するかどうかを調べるためのツール「Windows Vista Upgrade Advisor」の日本語版を同1月30日からダウンロード提供すること、早期購入者特典として、VistaのUltimateまたはHome Premiumエディションを購入したユーザー先着10万名に、シネマナウジャパンが提供する映画配信サービスのハリウッド映画を最大2カ月間見放題にすることなどを発表した。

 続いて登壇したのは、インテル マーケティング本部 本部長の阿部剛士氏、日本AMDの取締役兼マーケティング本部本部長の吉沢俊介氏。自社のCPUをアピールしつつ、Windows Vistaの発売が業界にとっての大イベントであることを述べ、業界が一つになってパソコン市場を盛り上げていきたいと述べた。

新コンセプトのリビング向けパソコンなど

 ここから、パソコンメーカーの幹部が次々に登壇。発表者は口々に「我々はこの日を待ち望んでいた」などと冒頭に述べ、発売が度々延期されたVistaがついに発売になることを祝った。さらに、Vistaの発売に合わせて投入する新製品を紹介した。

 トップバッターは、ソニーの石田佳久コーポレート・エグゼクティブSVP。「VAIO」ブランドのパソコンを日本市場に投入してから10年、「発売以来、パーソナルコンテンツを簡単にパソコンの中に取り込んでアーカイブすることに取り組んできた」と述べた。これを、Vista対応パソコンでさらに進めていく構え。同社はこの日新製品の発表を行わなかったが、2007年1月8日から米ラスベガスで開催されていた「2007 International CES」で公表した円柱型のパソコン「VAIO VGX-TP1」などに触れ、詳細は別途公表するとした。

 続いて、デルでマーケティング&オペレーションズディレクターを務めるジェームス・リー氏が壇上に立った。一般消費者向けだけでなくビジネスユーザー向けを含めたすべての現行モデルで、Windows Vistaに対応するとの姿勢を見せた。一般消費者向けについては、主力となるエディションはHome Premiumだが、「Home Premiumに対応していない既存のパソコンのユーザーでもVistaが利用できるように、1世代前のモデルではBasicもサポートする。Webサイトでドライバーを提供する」(リー氏)。Vistaへの移行をサポートするサービスなどにも力を入れていくという。

 東芝の執行役上席常務 PC&ネットワーク社の能仲久嗣社長も、Vistaと2007 Office systemを全面的にサポートしていくと宣言。一般消費者向けの春モデルに自社開発のユーザーサポートソフトを搭載し、ユーザーのVistaへの移行を支援すること、ビジネスユーザー向けのモデルも続々と投入していくことなどを述べた。さらに2007 International CESの会場で展示した、SideShowディスプレイや第3世代携帯電話モジュール、UWBによる無線ドッキングステーションなどを備える「Portege R400」もアピールした。このモデルは2007年春にも国内で発売される見込みだ。

 4人目の登壇者は、NECパーソナルプロダクツの高須英世社長。Vistaの大きな特徴であるビジュアルインタフェースを積極的に訴求するため、一般消費者向けの新製品27モデル中23モデルでHome Premiumエディションを採用する。Home Premiumが搭載するMedia Center機能にNECの独自機能を追加して使い勝手の向上を図ること、携帯電話との連携機能や、オリジナルのガジェット(小規模アプリケーション)を用意することなどもアナウンスした。また企業向けのパソコンについては、最上位のUltimateエディション搭載モデルも用意するという。

 日本ヒューレット・パッカードからは、副社長執行役員 パーソナルシステムズ事業統括の岡隆史氏が登壇。同社はこれまで企業向けのパソコンに注力してきたが、Vistaの登場に合わせて一般消費者向け製品を強化していくという。タッチパネルを搭載するノートや低価格モデルなど、一般消費者向けのノートパソコン4機種を発表した。さらに、エンタープライズ向けのソリューション分野でも新規ビジネスに力を入れる。

 続いては、日立製作所のユビキタスプラットフォームグループ ユビキタスシステム事業部の金子徹事業部長。10機種の新製品を発表した一般消費者向けの「Prius」シリーズでは、パーソナルテレビとしての機能をさらに強化した。同社独自の操作ソフトをMedia Centerと融合させたほか、同社のデジタル家電と同じインタフェースをリモコンに採用し、操作性の統一を図ったことを発表した。ビジネスユーザー向けの「FLORA」シリーズでも、2月に新製品を発表予定という。

 富士通の経営執行役 パーソナルビジネス本部長の山本正己氏は、「Vistaと新Officeを国内市場の活性化の武器とする」との決意を語ったあと、リビング向けパソコン「FMV-TEO」を紹介。テレビの大型化やインターネットを経由した映像配信が充実してきている環境の中で、新しいリビングパソコンのあり方を考えて開発したという。HDMIインタフェースを備え、ケーブル1本でテレビと接続できる。またあらゆるシーンでリモコンによる操作を可能にした。

 最後は、レノボ・ジャパンの天野総太郎社長。IBM時代から数えれば早くも四半世紀が経とうとしている同社のパソコン。時代を経るごとにパソコンが仕事の在り方を変えてきたことを述べたあと、「Vistaが新たな起爆材となる」として、Vista搭載のビジネス向けパソコンを発表した。

 発表会を締めくくったのは、マイクロソフトのダレン・ヒューストン社長。Vistaと新Officeの発売には業界全体で大変な準備が必要だったこと、周辺機器メーカーやソフトウエアメーカーも含め、業界全体が一体化してこれに臨んできたことを強調した。