米シスコシステムズは現地時間1月10日,「iPhone」の商標を無許可で使用したとして,商標侵害で米アップルを米カリフォルニア州北部連邦地方裁判所に提訴したと発表した。

 「iPhone」は,元は米インフォギアが1996年3月に商標を登録。その後,シスコがインフォギアを買収したことによって2000年に「iPhone」の商標権を取得し,同社の事業部門の一つであるリンクシスが昨年春から「iPhone」の名称でIP電話機を販売していた。リンクシスは昨年12月にはiPhoneの新製品を追加した。

 一方,アップルは現地時間1月9日にワイドスクリーンのiPodと同等の音楽/動画再生機能などを搭載したスマートフォン「iPhone」を発表。2007年6月から米国で,2007年後半からヨーロッパで,2008年からアジアで発売する計画を立てている(関連記事)。

 アップルはシスコに対してiPhoneの名称を使用することを要請してきた。両社は約5年間にわたって交渉を続けてきたが,結局合意には至らなかった。シスコのマーク・チャンドラー上級副社長兼主任顧問弁護士は「アップルの新しい携帯電話は素晴らしいものであることは疑うべくもないが,許可なく当社の商標を使用するべきではない」とのコメントを発表している。