検出数の多かった偽ソフト「System Doctor 2006」のWebサイト。慌ててクリックしてはいけない
検出数の多かった偽ソフト「System Doctor 2006」のWebサイト。慌ててクリックしてはいけない
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 スパイウエア対策ソフトなどを開発販売するウェブルート・ソフトウェア(以下、ウェブルート)は2007年1月9日、国内における2006年12月のスパイウエア検出状況を公表した。それによると、詐欺的な手口でユーザーにインストールさせようとする“偽ソフト”の検出数が増えているという。

 ウェブルートでは、同社が提供するオンラインの無償スパイウエア検出ツール「Spy Audit(スパイオーディット)」における検出数を毎月集計して公表している(スパイオーディットのWebサイト)。同社によると、12月は検出されたスパイウエア全体のなかで、偽ソフトの「System Doctor 2006」が2番目、同じく偽ソフトの「DriveCleaner」が3番目に多かったという。

 「System Doctor 2006」などの偽ソフトは、さまざまなWebサイトの広告スペースに「パソコンにエラーが見つかりました」といった偽の警告メッセージを表示して、ユーザーにインストールさせようとする。警告に見せかけたバナー広告をユーザーがクリックすると、セキュリティソフトと称するプログラムをダウンロードさせるWebサイトに誘導される。

 しかしセキュリティソフトとは名ばかりで、パソコンを修復するような機能はない。そのソフトをインストールして実行すると、実際には存在しないシステムエラーなどが見つかったと表示される。そして、それらを修復するには有償版を購入する必要があるとして再び偽ソフトのWebサイトへ誘導し、クレジットカード番号などの入力を求める。

 偽ソフトは以前から多数確認されているものの、その多くは英語版だった。ところが2006年以降、警告メッセージやソフトのインタフェースを日本語化した“日本語版”が次々と出現している。前述のSystem Doctor 2006とDriveCleaneは、いずれも日本語版。このため、国内における検出数が多かったと考えられる。

 ウェブルートでは、今後も日本語版の偽ソフトが多数検出されることが予想されるので、Webの閲覧中に警告などが表示されても、慌ててクリックしないよう注意を呼びかけている。