写真 WPS対応であると表示するため製品などに付与するマーク(Wi-Fiアライアンスの資料より)
写真 WPS対応であると表示するため製品などに付与するマーク(Wi-Fiアライアンスの資料より)
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 無線LAN製品の相互接続性を確認する業界団体Wi-Fiアライアンスは米国時間1月8日,無線LANのセキュリティ設定を簡単にする標準規格「Wi-Fi Protected Setup」(WPS)を策定したと発表した。

 セキュリティを確保して無線LANを利用するには,SSID(service set identifier)や暗号化のためのキーを,第三者に分かりにくい文字列を利用して設定する必要がある。しかも,アクセス・ポイントとクライアントとなるパソコンや情報家電など,無線LANネットワークにつながるすべての機器を同様に設定しなければならない。そのため,Wi-Fiアライアンスの調査によると,この作業が難しいとするユーザーは約44%にも上っていた。

 新規格のWPSは,こうした設定の手間を簡単にする仕組みを決めている。具体的には,製品に搭載したボタンを押す(プッシュボタン方式),暗証番号を入力する(PIN番号方式)といった作業だけで,無線LANの初期設定を完了できるようにする。2007年前半には,ICカードなどの近距離通信を利用する方式や,USBフラッシュ・メモリーを利用する方式にも対応予定だ。なお,WPSに対応する製品では,製品やパッケージなどに決められたマークが表示される(写真)。

 従来から,無線LAN機器ベンダー各社は独自方式で初期設定を簡単にする工夫を進めてきた。日本では,バッファローの「AOSS」(One-Touch Secure System)やNECアクセステクニカの「らくらく無線スタート」などが普及している。とはいえ,こうした仕組みは各社の独自仕様のため,相互利用できないという欠点があった。今回,国際的な標準規格が登場することで,異なるメーカーの製品同士でも簡単にセキュリティ設定できるようになる。