全国労働金庫協会と労働金庫連合会(労金)は1月4日、同日に2回のシステム障害が発生し、ATM取引に支障が出たと発表した。

 1回目の障害は、1月4日午前8時から約17分間、労金以外の金融機関のキャッシュカード利用者が、労金のATM(現金自動預け払い機)やCD(現金支払機)から提携先の金融機関へ取引できなくなった、というもの。障害の原因は、この年末年始に静岡県と新潟県の労金が、独自システムから全国労働金庫統一オンライン・システム(ユニティ・システム)に移行する作業を実施したことに伴う操作ミスだった。

 労金は2006年12月31日から2007年1月2日にかけてマスターの移行作業を実施。1月3日に、システムがオンラインになる1月4日の日付で稼働テストを行った。この際、他の金融機関へデータが流れないようにしたが、テスト終了後に、その設定を手動で解除することを忘れてしまった。この設定を解除することで障害は解消したが、それまでに71件(38人)の取引ができなかった。

 2回目の障害は、1月4日17時14分ごろから、労金のキャッシュカードの利用者が、郵便局・セブン銀行・全国キャッシュサービス(MICS)提携金融機関などのATMで取引ができなくなった、というもの。障害のきっかけは、提携先の金融機関からユニティのコンピュータにデータを渡すシステムのプログラムを改修し、これを1月4日に適用したことだった。処理能力の増強が狙いだったが、プログラムに不具合があり、取引件数が6万件を超えたところで取引ができなくなった。プログラムの適用にあたって事前にテストを実施していたが、不具合を見つけられなかったという。

 労金は19時7分に不具合を修正。19時18分以降、段階的に各提携先との障害を復旧させ、19時55分に全面復旧させた。この影響で3万4978件の取引ができなかった。利用者数は現在調査中だという。