NECは12月27日,携帯電話のエリア拡張を容易にする第3世代携帯電話向け基地局システム「RS381,RS880シリーズ」を発表した(写真)。この製品は独シーメンスとの共同開発品である。
特徴は,基地局の制御部と無線部を完全に分離し,数十キロメートル離して設置することが可能なこと。制御部と無線部は光ファイバを使って接続する。これまでの製品では,基地局と無線部は一体になっていた。
基地局はビルの屋上などに設置するが,無線部のみの設置で済むようになり,スペースや電源設備をコンパクトにできる。このため,携帯電話事業者がエリアを拡張しやすくなる。具体的には,基地局制御部を1カ所に集中配備し,NTT東西地域会社などのダーク・ファイバを使って各地に設置した無線部を結ぶといった形態や,制御部から小型の無線部を多数分岐しビル内にエリアを広げるといった形態など,柔軟にエリアを拡張できるとする。
NECは既にソフトバンクモバイルにこのシステムの納入を開始。「ソフトバンクモバイルが2007年3月までに基地局を増やす強化計画を打ち出しているが,今回の製品はこの計画実現のための中核製品になる」(NEC)という。