NECは12月22日、2006年度中間期の決算(11月21日発表)を訂正すると発表した。訂正後の中間期の連結売上高は、前年同期比2.7%減の2兆2216億400万円(訂正前は同2.5%減の2兆2276億2700万円)、営業利益は同50.0%増の75億400万円(22.5%増の61億2500万円)、経常損失は118億1900万円(135億2200万円)、中間純損失は99億2700万円(74億2700万円)である。

 訂正した理由は二つある。

 一つは、連結財務諸表作成時の仕訳などの誤りだ。同社は米証券取引委員会への前年度の年次報告書提出の遅れから、従来は米国会計基準で作成してきた連結決算書類を、06年度中間期から日本会計基準で作成するよう変更した。しかし、基準変更を10月に決めてから約1カ月で急いで作業を進めた結果、誤りが発生してしまったという。具体的には、特別損失に計上すべき構造改革の資産評価にかかわる費用を営業費用で処理していたり、子会社の厚生年金基金の代行返上について特別利益にすべきところを、営業外収益で処理したりしていた。

 もう一つは、売り上げ計上時期を一部訂正したことだ。NECは、この中間期から、ソフトウエア取引の会計処理の適正化を目的に、企業会計基準委員会が発表した「ソフトウェア取引の収益の会計処理に関する実務上の取扱い」を適用。その分割検収による売り上げの要件を満たしていないと判断した取り引きなどについて訂正したという。