写真●Q転直Paが提供する個人向けポータル・サイトの画面例
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 「雑誌や新聞、チラシやポスターといった紙媒体による情報発信と、インターネットを使った情報発信を融合させたい」――。アイディーエスの熊谷卓也 社長は、来年3月15日にサービスを開始する「Q転直Pa」の目的を、こう語る。Q転直Paは、URL情報を含んだQRコード(2次元コード)を携帯電話で読み取ると、そのURLをユーザーのパソコンに転送するサービス。QRコード発行側は有料だが、ユーザーは無料で利用できる。

 現在のQRコードの使い方としては、携帯電話が搭載するブラウザで直接Webサイトにアクセスさせるのが一般的だ。これだと、たとえフルブラウザであっても携帯電話の画面の制約を受けてしまう。一方、紙媒体に自社のWebサイトを記載しても、ユーザーはパソコンで稼働するWebブラウザ上でわざわざURLを打ち込む必要があるため、アクセスしてもらえる確率は高くない。最近はURL入力の負荷を下げるために「(検索サイトで)『○○』と検索」などとする企業が増えているが、検索サイトで常にトップに表示されるとは限らないし、検索連動型広告を使うと費用がかかる。

 そこで、QRコードに自社のWebサイトのURLを埋め込み、携帯電話でそのQRコードを読み取ると、事前に指定したメール・アドレスにURLを転送するようにしたのがQ転直Paだ。初めて利用する際には転送先のアドレスを登録する必要があるが、2度目からは発行されたIDとパスワードを入力すれば、登録したメール・アドレスに転送される。

 無料のポータル・サイトを用意しており、そこにURLを転送することもできる。自分用に用意されたポータル・サイトにアクセスすると、Q転直Paで転送したURLが一覧表示される(写真)。

 ユーザーは携帯電話で読み取るだけなので、QRコードに埋め込むURLは長くても構わない。例えば、チラシ広告で掲載した個々の商品ごとにQRコードを掲載し、商品別のページにアクセスさせることも容易にできる。

 この10月からベータ版としてサービスを提供しているが、「3カ月弱で50社から問い合わせがあった。新聞広告にQ転直Pa用のQRコードを掲載した企業もある」(ITソリューション営業部の泉谷章 部長)という。

 Q転直Paのサービスは、デュプロと共同で提供する。QRコード発行の価格は、QRコード数100、アクセス数1000までの場合で月額5万円。アクセス数が1000を越えると別チャージがかかる。今後、QRコードの数やアクセス数の組み合わせで、複数の料金体系を用意する予定。