全世界で1億7000万個の対応チップを出荷した「FeliCa」技術
全世界で1億7000万個の対応チップを出荷した「FeliCa」技術
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 ソニーは2006年12月21日、非接触型ICカード技術「FeliCa」の暗号が解読されたとの一部報道に対し、事実と一切異なるとするコメントを発表した。

 話の発端は、12月20日に刊行された年間予約購読制の経済雑誌が「暗号破られた電子マネー」と題した記事を掲載したこと。ある研究者が、現行のFeliCa技術を採用した電子マネーの暗号解読に成功し、正規の方法以外で偽の入金が可能だと警告する内容の記事だった。

 この記事に対してソニーは、FeliCaではセキュリティに関する事故は過去に一度も発生したことがなく、暗号が解読された事実も確認したことはないとコメント。現時点でFeliCaは、暗号面も含めて安全性を担保できる、安心して使える電子マネー技術であると主張した。

 FeliCaは、電子マネーの事実上の標準技術であり、日本ではJR東日本の「Suica」やJR西日本の「ICOCA」、ビットワレットの「Edy」のほか、NTTドコモやKDDIの「おサイフケータイ」などに採用されている。ソニーは2006年11月時点で約1億7000万個の対応チップを全世界へ出荷している。

 経済雑誌と同様の警告をするブログ記事もここ数日、インターネット上にいくつか見受けられるが、雑誌、ブログ記事ともに、FeliCaの暗号を破った場面を直接確認したという記述は見あたらず、いずれも噂レベルと判断できる。