日本AMDは12月20日,米国本社の幹部による経営方針の説明会を開催した。米AMDの副社長兼セールス・マーケティング最高責任者,ヘンリー・リチャード氏は「2006年は大きく成長した」と概括した上で,8コア・プロセサ,コプロセサの開発・普及を推進する「Torrenza」,加ATIテクノロジーズ買収の成果ともいえる「Fusion」など,今後3年間の開発計画を述べた。

 まず挙げたのが,8コア・プロセサ。2009年を目標に,一つのチップに八つのコアを納めたサーバー向け次世代プロセサを投入する。リチャード氏は「消費電力当たりの性能で業界の先端を行く」と宣言する。

 また,2007年後半を目標に,「Torrenza」の具体的な製品を発表するという。コプロセサ向けソケット「Torrenza Innovation Socket」の仕様を公開し,画像処理や科学技術演算など,ハイエンド向けコプロセサの普及を試みるもの。

 パソコン向けマルチコア・プロセサ「Fusion(開発コード名)」についても言及した。Fusionは汎用のコアと,画像処理専用のコアを一つのチップに納めたもので,2009年を目標に製品化する。GPU(画像処理用プロセサ)を別途搭載する必要がなくなるため,「特に(低消費電力と処理性能の両方を必要とする)モバイル・コンピューティング分野に大きく貢献できる」(リチャード氏)と言う。AMDは今年10月,GPU大手のATIテクノロジーズを買収済み。