12月20日に開催したNTTグループのNGNトライアル開始の記者会見上(速報記事)には,トライアルに参加するメーカー幹部が名を連ねた。この中で各メーカー幹部は,2007年度末のNGN商用化に向けて,自社で出していく製品・サービスを紹介。NGNと接続する家庭内の機器はテレビが中心であり,テレビを介してNGNのサービスを広げていくイメージが色濃く出ていた。

 松下電器産業の津賀一宏役員は「テレビを中核に家電のネットワークを加速させる」と語り,NGNとテレビをつないでさまざまなサービスをネットワーク経由で提供する方針を紹介した。その中で鍵となるのが,同社も出資するテレビ向けのポータル・サービス「アクトビラ」。NGNを介してアクトビラに高品位な動画を配信するというサービス像を紹介した。また,NGNを使った子供の見守りサービスなどにもテレビをモニター手段として活用していくという。

 日立製作所の竹村哲夫情報・通信グループCOOも「テレビが家庭内のNGNの窓口になる」と語った。NGNの商用化に合わせるタイミングで,NGNに対応したテレビを出荷。NGNが持つ「安心・安全なネットワーク」という特徴と使いやすさを両立させた機器・サービスを提供していきたいとした。

 NECの広崎膨太郎執行役員専務は,NGNにおけるサービス開発用のプラットフォームと,個人向けに提供する高品位な動画配信サービスが,商用化に向けた同社の製品・サービスであるとした。なお企業向けにはシン・クライアント端末を使ったサービスも検討しているという。同社が先日発表したシン・クライアント端末「US100」は,NGNに対応したセキュリティ機能やクライアント機能を今後盛り込む予定。開発は既に終了しているという。

 ソニーの尾上善憲B&P事業本部副本部長は,HD(ハイビジョン)品質のテレビ会議システムなどが同社の製品・サービスのメインになると語った。現状のネットワークでは,HD品質の画像伝送の際にパケット・ロスが起きているという。「NGNではネットワークの品質を保証できるため,高品位な動画配信に役立つ」(尾上本部長)とNGNに対する期待を述べた。