米アカマイ・テクノロジーズのクリス・アレキサンダー上級製品マネージャ
米アカマイ・テクノロジーズのクリス・アレキサンダー上級製品マネージャ
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 CDN(コンテンツ配信ネットワーク)事業を手掛けるアカマイは12月19日、ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)と任天堂に、オンライン・ゲームの配信インフラを提供することを発表した。具体的には、SCEが11月11日に発売した「プレイステーション3(PS3)」向けのゲームと、任天堂が12月2日に発売した「Wii」向けのゲームをインターネット経由で配信する。

 「ゲーム市場は、2010年には460億ドルもの規模になると言われている。中でもオンライン・ゲームは、ブロードバンド回線の普及を背景に、大きく伸びるだろう」と、米アカマイ・テクノロジーズのクリス・アレキサンダー上級製品マネージャはみる(写真)。「PS3やWiiでは、数Gバイトもの大容量ゲームもインターネット経由で提供される。アカマイが持つ配信インフラの必要性はそこにある」。

 配信を代行するデータは、SCE向けと任天堂向けでそれぞれ異なる。SCE向けでは、SCEのPS3ユーザー向けWebサイト「PLAYSTATION Network」で販売するゲームのファイル。任天堂向けでは、任天堂のWiiユーザー向けWebサイトで販売したゲームのファイルに加えて、Webサイトのコンテンツも配信する。「クリスマスには、PS3やWiiをプレゼントされたユーザーが一斉にゲームをダウンロードするはずだ。それに耐えうるインフラを当社が提供する」(アレキサンダー氏)。

 米アカマイは今後、ゲーム分野でのビジネスを強化する方針だ。アレキサンダー氏は、「ゲーム分野に特化したマーケティング担当者を設け、人員を増やしている。ゲームのファイルを配信するだけでなく、ゲームを購入する際の処理や、ゲーム機がオンラインでサーバーとやり取りをする通信についても、当社のサービスを利用することで、ゲーム・メーカーの負担を軽減できるのではないかと考え、現在検証を始めている」と打ち明ける。