写真 ナイスパフォームの画面
写真 ナイスパフォームの画面
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 SIベンダーのアイティフォーはコールセンター向けに,内部統制に即して顧客への電話対応が適切かどうかを管理するシステム「ナイスパフォーム」を,2006年12月18日に発売した。音声認識によって電話対応からキーワードを抽出したり,波形の変化から顧客の怒りの感情などを抽出する。価格は,100席のコール・センターの場合で一式2000万円から。開発会社はイスラエルのNICE Systems。

 ナイスパフォームは,コールセンターにおける,顧客対応の分析システム。通話内容を録音する専用装置と,通話内容の分析ソフトで構成する。機能は大きく3つある。1つは,音声認識による音声のテキスト化と内部統制上好ましくないキーワードの抽出。1つは,音声の波形の変化から顧客の怒りの感情を発見する機能である。もう1つは,こうしたキーワードや感情に基付くワークフロー管理機能である。

 内部統制上,好ましくないキーワードの例には,決算発表資料準備期間中の“沈黙期間”に,未発表の決算内容を話してしまう,といったケースがある。具体的には,「増収」や「減益」などが相当する。一般に,株価に影響を与える可能性がある未発表情報は沈黙期間に話さない。こうしたキーワードを指定しておくことで,キーワードを含む電話対応を管理画面から再生できるようになる。

 また,「支払い」や「遅延」というキーワードが登場する場合は,統計的に,電話対応担当者が顧客に対して延滞金の請求処理を実行しなければならない状況である場合が多い。こうした場合に,キーワードを含む電話対応とともに,電話対応担当者のパソコン操作を管理画面で再現する機能を持つ。パソコン操作の記録/再生により,延滞金の請求処理などの操作を確実に実施したかどうかが分かる。

 顧客の怒りの感情は,音声の波形の変化を関知することで発見できる。管理画面上から他の部分とトーンの異なる部分を聴くことで,どういった対応が顧客の怒りを買ったのかを分析できるようになる。