EMCジャパン執行役員の古谷幹則マーケティング兼パートナーアライアンス統括本部長
EMCジャパン執行役員の古谷幹則マーケティング兼パートナーアライアンス統括本部長
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 EMCジャパンは12月13日、米国本社による企業買収についての説明会を開催した。執行役員で、古谷幹則マーケティング兼パートナーアライアンス統括本部長は「これまでに70億ドル近くかけた一連の企業買収は、当社が推進するILM(情報ライフサイクル管理)の実現に必要な技術を、いち早くそろえるため」と説明する(写真)。

 ILMとは、データの重要性や利用頻度に応じて、保存先や保存方法を的確に選択するデータ管理手法のこと。EMCはそのためのストレージ製品やソフトウエア製品を手掛ける。

 これまで米EMCが買収した主な企業は、バックアップ・ソフトを手掛けるレガート、文書管理ソフトを手掛けるドキュメンタム、仮想化技術を持つVMware、セキュリティ関連製品を手掛けるRSAセキュリティなどである。「ソフトウエア製品を持つ企業を次々買収したことで、当社のビジネス・モデルが変わった。ハードウエアは売上の46%で、ソフトウエアが35%を占めるまで伸びた」(古谷本部長)。

 「ILMの推進に一番貢献した買収は、ドキュメンタムだろう」と、執行役員の安藤秀樹EMCソフトウェアグループ本部長は分析する。「買収当初は単にストレージに保存するデータを管理するソフトを手に入れる狙いしかなかった」(安藤本部長)とその裏側を打ち明ける。しかし多くの企業が内部統制に取り組むようになり、文書ファイルや動画像ファイル、メールまで、さまざまなデータを一元管理できるソフトウエアとして、ILMを推進するうえで欠かせない存在になったという。

 多くの企業を買収し、扱う製品を増やしても、エンジニアや営業担当者、パートナ企業がそれについて行けないケースがある。「そのようなことがないよう、企業を買収するたびに米国に担当者を派遣し、製品知識を習得させている。今後は、2006年4月にグローバルで戦略的アライアンスを結んだNECをはじめとするパートナ企業との連携を強化していきたい」(古谷本部長)。