マイクロソフト日本法人は2007年以降,同社が提唱する開発方法論「Software Factories」を国内で普及させるための新しい施策を講じる。

 Software Factoriesとは,マイクロソフトが提唱するソフトウエアを迅速に開発するための方法論で,製造業の工場のように図面ベースで設計したり,自動化できる作業は極力ツールに任せたりすることなどで,製造業の工場のように,品質が高いソフトウエアを効率よく開発することを目指す。

 Software Factoriesの国内普及を担当するマイクロソフトの日詰廣造氏(デベロッパー&プラットフォーム統括本部 パートナー テクノロジー推進本部 本部長)は「Software Factoriesをはじめとするソフトウエア開発の工業化の考え方は現在,従来のシステム開発のあり方に一石を投じている段階だ。今後,よりいっそうSoftware Factoriesの浸透を図っていきたい」と話す。

 施策では,システム開発現場でITアーキテクトの役割を担うエンジニアに,Software Factoriesを理解してもらうことに力点を置く。「ITアーキテクトはSoftware Factoriesを立ち上げる上で中心的な役割を担う」(日詰氏)と考えているからだ。

 具体的には,2006年11月から毎月1回実施しているSoftware FactoriesをテーマにしたITアーキテクト向けセミナーを発展させて,2007年春ごろ,ITアーキテクト向けのフォーラムを開催する。そこで,Software Factoriesが目指す開発生産性と品質向上について,アーキテクト同士が議論できる場を設ける。ITアーキテクトに必要な知識,ノウハウ,技術を自己診断できるWebサイトを立ち上げることも計画している。Software Factoriesを担うITアーキテクトに関心を持ってもらい,担い手を増やすことを狙う。

 このほか2007年春をめどに,Software Factoriesを実現するためのより具体的な方法論をまとめたホワイト・ペーパーを公開する。このホワイト・ペーパーは,30社ほどのシステム・インテグレータのITアーキテクトや学識経験者など国内の技術者が集まる「Microsoft Architect Advisory Council」と呼ぶ協議会でまとめているもの。ホワイト・ペーパーに基づいたSoftware Factoriesの実証実験も計画中だという。