総務省は12月12日,2.5GHz帯を使った無線ブロードバンドの技術条件を議論する「広帯域移動無線アクセスシステム委員会」の第4回会合を開催した。今回は11月17日から12月8日にかけて実施した報告書案に対する意見募集の結果を踏まえ,答申案をまとめた。12月21日の情報通信審議会情報通信技術分科会で審議し,一部答申を出す予定である。

 意見募集の結果では,報告書全般に対しては内容を支持する意見だけ。各論については多数の意見が寄せられたが,大枠の修正は特になかった。委員会の構成員から「今後,同様な条件を満たした新技術が登場する可能性もあり,通信方式を4種類に特定するような表記はいかがなものか」という指摘があったため,「他の通信方式も追加される可能性はあるが,現時点では4種類を対象とする」旨の補足文を追加した程度。あとは文言の変更など軽微な修正が中心になる。

 このほか,今後の検討課題となっている「20MHzシステム」や「高出力FWAシステム」の導入を希望する意見が多かった。前者は国際標準化の動向を見てからの検討になるが,後者に関しては「早速,来年1月から審議を再開し,早期の導入を検討していきたい」(総務省)とした。また免許の割り当て方針に関する意見も多かったが,委員会の対象外なので議論は行われなかった。

 なお,総務省は2.5GHz帯無線ブロードバンドの免許割り当て方針の参考とする「BWAカンファレンス」を12月5日に開催済み(関連記事)。2007年2~3月までに免許方針案を作成し,2007年夏ころに免許を付与する事業者を決定する。