Cloggerのトップページ画面
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Amazon.co.jpでClogしたところ
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 ブログで日記を書き続けるのは難しい。しかし,商品やサービスなど「モノ」に対するコメントなら書きやすいし,さらに同じモノに興味のある人たちと意見を交換できればもっと便利では?――そんな発想から2006年12月12日にオープンしたのが,モノをキーワードとしたコミュニティ・サイト「Clogger(クロガー)」だ。

 Cloggerは,Amazon.co.jpなど,何らかの商品やサービスを販売または情報提供しているサイトの商品情報を登録し,カタログのようにビジュアルに収集・閲覧できるサイト。自分だけのモノ・カタログを作れるほか,コミュニティ機能を使って,ユーザー同士で登録したモノの情報を交換できる。ブログ+商品やサービスなどのモノに対する掲示板+SNS(ソーシャル・ネットワーク・サービス)と考えるとわかりやすい。ただし,特定のジャンルの商品に限定したものではなく,書籍から音楽CD,玩具,グルメ,ファッション情報まで,様々なモノを取り扱えるのが特徴だ。

 例えばAmazon.co.jpなどのショッピング・サイトで,気になった商品のページをCloggerが配布しているブックマックレートを使って登録すると(これをClog:クログと呼ぶ),自動的にCloggerの自分のページに,商品の写真やリンク先などの情報が登録される。このとき,商品に対するコメントや評価を設定できる。

 Clogされた情報は,自分にしか照会できない商品カタログにしたり,一般に公開したり,ユーザー登録した友人のみに公開したりといった制限を設定可能。他のユーザーが同じ商品についてClogしていればその旨も表示され,自分の意見を書き込むこともできる。つまり,モノを中心にした掲示板としても機能する。

 Clogできるカテゴリは,本,音楽,コンピュータ,グルメ,ファッションなどの17種類。オープン時点では,Amazon.co.jp,@COSME,ぐるなび,ヨドバシカメラ,トイザらスなど15のサイトを「Clog対応サイト」としてブックマークレットを使ってClogできる。対応サイトではなくても,マニュアル登録すればClogは可能だ。

 ありそうでなかった,このようなサイトを開発・運営しているのは,ソフトウエア・コンポーネント大手グレープシティの子会社yatai(本社:東京都渋谷区)。Cloggerとは,カタログ(Catalog)を元にした造語で,Blogの次の「C」でClogという意味もあるという。マイクロソフトのASP.NETとAjax技術を併用し,企画からわずか3カ月で立ち上げた。当面はパソコンのブラウザ向けだが,ケータイやPDAなど様々な機器に対応する予定。同社では,Cloggerのサービス自体をWebサービスとして他のサイトに提供することも検討中だ。

 「何を書いたらいいかわからない」となりがちなブログやSNSに比べ,インターネットを使ったモノやサービスの情報収集は,いまや誰もが普通に行っている行為。これをシステム的にサポートし,コミュニケーション・サイトとしてまとめあげるCloggerの発想はコロンブスの卵と言えるかもしれない。運営元のyataiでは,「2007年末で,登録ユーザー数50万人」を目標としている。