マイクロソフトは12月11日、中小企業向けのオンライン・サービス「Office Live」のベータ(試験運用)サービスを開始した(http://officelive.microsoft.com/japan/)。2006年2月から米国で提供していた同サービスの日本語版である。

 Office Liveは、従業員数が10人程度の小規模企業や、個人事業主をターゲットにしたオンライン・サービス。サービスの内容は、企業の独自ドメインの取得とWebページ作成、電子メール、社内外との文書共有、インスタント・メッセージングなどだ。

 Office Liveのサービスは基本的に、文書共有ソフト「SharePoint Server 2007」やWebベースの簡易グループウエア「GroupBoard Workspace」、Windows Liveメールなど、同社の既存ソフトやサービスの一部の機能を、Web経由で提供するものだ。「予算の制約から2007 Office Systemのサーバー・ソフトを購入しづらかったり、専任の運用担当者がいなかったりする小規模企業に向けて、基本的な機能をパッケージングした」(横井伸好インフォメーションワーカービジネス本部長)。

 Office Liveの特徴は、WordやExcel、OutlookといったOfficeのクライアント・ソフトとのデータ連携機能だ。例えば、Office Liveで管理している取引先のリストをデスクトップのOutlookやExcelに取り込む機能を、標準で備えている。「2005年ごろから、新たな技術トレンドとしてSaaS(ソフトウエア・アズ・ア・サービス)が登場してきた。マイクロソフトとしては、サービスだけでなく、使い慣れたソフトウエアとの組み合わせこそが、最も現実的な解だと考えている。それを具現化したのが、Office Liveだ」(横井本部長)。

 ベータ版で提供するサービスには三つのタイプを用意する。無償の「ベーシック」タイプの内容は、独自ドメインの取得、Webサイトのデザインと500Mバイト分のWebページ、25個のメール・アカウント(1アカウント当たりのメール容量は2Gバイト)、Webのトラフィック分析ツールである。

 「エッセンシャル」タイプは、ベーシックの全機能に加えて、500Mバイトの文書共有スペース(10人分のユーザー・アカウント付き)。Webページの容量は1Gバイト、メール・アカウントは50個に拡大する。最上位の「プレミアム」では、エッセンシャルの全機能に、GroupBoardを利用可能。文書共有スペースのデータ容量が1Gバイト、ユーザー・アカウントは20人分に、それぞれ増加している。

 正式版の提供開始時期は2007年第2四半期。ベータ期間中にユーザーから受け付けたフィードバックを反映させるほか、検索キーワードなどを活用した広告マーケティング・サービスも提供する予定だ。