マイクロソフトは12月8日,「Windows Vista Ultimate」のサポート終了期限を2017年4月11日にすると発表した。同社は11月30日の企業向け製品発表会で「Windows Vista Ultimateのサポート期間は,消費者向けの製品と同じ」である発売から5年間と説明していたが,業務用製品(Windows Vista Business/Enterprise)と同じ10年間にした。

 WindowsやOfficeといったマイクロソフト製品のサポート期間には,大きく分けて2つの種類がある。まず製品の発売から5年間は,セキュリティに関するバグとセキュリティに関係しないバグの双方を無償で修正する「メインストリーム・サポート」を提供する。「Windows Vista Home Basic」や「Windows Vista Home Premium」といった消費者向け製品に提供されるサポートは,メインストリーム・サポートだけである。つまり,サポートは原則として5年間で終了する。Windows Vistaのメインストリーム・サポート終了日は,2012年4月10日だ。

 Windows Vista BusinessやWindows Vista Enterprise,Office,サーバー製品,開発ツールといった業務用製品の場合,メインストリーム・サポートが終了してもその後5年間は「延長サポート」を提供する。延長サポート期間中は,セキュリティに関するバグ修正が無償で提供されるほか,セキュリティに関係しないバグ修正が有償で提供される。Windows Vista Business/Enterprise/Ultimateの延長サポート終了日は,前述の通り2017年4月11日である。

 延長サポートが終了すると,基本的にバグ修正は一切提供されない。高額な有償サポート契約を結んだ企業であれば,バグ修正を入手できることもある。

 なお,これまでに紹介した各サポート終了日は,すべて最短のものである。例えば,Windows Vistaの後継バージョンのリリースが遅れた場合,メインストリーム・サポートの終了日は「次期バージョンの発売から2年後」に延長される。また延長サポート・フェーズの終了日はメインストリーム・サポート終了から5年間だが,Windows Vista後継バージョンの次のバージョンのリリースが遅れた場合,「次々期バージョンの発売から2年後」に延長される。

 実際Windows XPの場合,次期バージョンであるWindows Vistaのリリースが遅れたため,メインストリーム・サポートの終了日は「Windows Vistaの発売から2年後」まで延長されている。よって,Windows XPのメインストリーム・サポートの終了は2009年前半になり,Windows XPの延長サポートの終了はそれから5年後の2014年前半になるだろう。

 ただし,「Windows XP Home Edition」や「Windows XP Media Center Edition」は家庭用製品であるため,延長サポートは提供されない。従ってこれらの製品のサポート完全終了は2009年前半になる。

【12月12日訂正】当初,本文第6段落で「Windows XPの延長サポートの終了はそれから5年後の2011年前半になるだろう」としておりましたが,「2014年前半」の誤りでした。お詫びして訂正します。文中の表記は修正済みです。