図●.NET Frameworkのロードマップ
図●.NET Frameworkのロードマップ
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 米Microsoftがこのほど,.NET Frameworkの次期バージョン「.NET Framework 3.5」に関する情報を公開した。.NET Framework 3.5は2007年中に開発ツールの「Orcas」(開発コード名)と同時に出荷される予定で,核となる「CLR」のバージョンは.NET Framework 2.0/3.0と同じ「2.0」になる。同社Senior ArchitectのMohammad Akif氏が12月3日(米国時間),MSDNのサイトにあるブログ「No Spin Architecture」で明らかにした。

 Mohammad Akif氏は「.NET 3.0, Different Versions of the .NET Framework」というブログの記事で,.NET Frameworkの次期バージョンが「3.5」になることを明らかにした。Mohammad Akif氏はブログで「あなたが開発した.NET 2.0用アプリケーションは,.NET Framework 3.5でも継続して動作する」と呼びかけている。これは,.NET Framework 3.5の核であるCLR(Common Language Runtime)が「バージョン2.0」で,2005年にリリースされた「.NET Framework 2.0」や2006年11月にリリースされた「.NET Framework 3.0」と同じであるため()。

 .NET Framework 3.5とOrcasでは新規に,「LINQ」や「ASP.NET AJAX」に対応する。LINQを利用すると,.NET対応開発言語を使ってリレーショナル・データベースを簡単に操作できるようになる。LINQは,次期C#「C# 3.0」や次期Visual Basic「Visual Basic 9.0」に実装される予定なので(関連記事:次期C#に実装予定の新機能を探る~Anders Hejlsberg氏の講演より),C# 3.0やVisual Basic 9.0も,Orcasと.NET Framework 3.5と同時に登場するもようだ。

 Microsoftは現在,ASP.NET AJAXの開発ツールとして,Visual Studio 2005用の追加プログラム「ASP.NET AJAX Extensions」を提供している。ただしこれは「ベータ2」としての位置付けであり,正式版ではない。ASP.NET AJAXの開発ツールの正式版が,Orcasになる。よってMohammad Akif氏が掲出したロードマップ図でも,.NET Framework 3.5の新機能としてASP.NET AJAXへの対応が挙げられている。