米Blue Coat Systemsの製品マネージメント・ディレクタのCarrie Oakes氏
米Blue Coat Systemsの製品マネージメント・ディレクタのCarrie Oakes氏
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 プロキシ・アプライアンス大手の米Blue Coat Systemsは,WAN高速化などの機能を実装したクライアント・ソフト製品「Blue Coat SG Client」を,2007年3月~6月頃に出荷する。遠隔拠点のクライアントPCからネットワーク経由で本社に設置したプロキシ・アプライアンスに直接アクセスし,本社にある業務データを高速かつ安全に利用することが主な目的だ。

 SG Clientは,Web/WAN高速化機能を備えるプロキシ・アプライアンス「Blue Coat SG」と組み合わせて使うソフトである。本社やデータ・センターに設置したBlue Coat SGに対して,遠隔拠点からSG Clientを用いて接続する。これにより,WANの高速化が実現でき,各種セキュリティ機能も利用できるようになる。従来は,WAN高速化などの機能を利用するためには,遠隔拠点にもBlue Coat SGが必要だった。なお,SG Clientは,独立して動作する形態に加えて,Blue Coat SGへのアクセス時にその都度ダウンロードして実行するオン・デマンドの形態も用意する。

 SG Clientを発売する背景について,米Blue Coat Systemsで製品マネージメント・ディレクタを務めるCarrie Oakes氏は「企業では,2~3人といった少人数の社員で構成する“マイクロ・オフィス”が一般的になりつつある。こうしたケースでは高額なアプライアンスの導入が難しいため,SG Clientが向いている」と指摘。Oakes氏はさらに,通信回線を利用したモバイル・ワーカーも増加していると分析する。急増するモバイル・ワーカーにとっても,SG Clientは有効という。

 同社は,現在でもSSL-VPN装置「Blue Coat RA」と組み合わせて使うSSL-VPNクライアント・ソフトを提供中である。SSL-VPN機能に加えて,クライアント機へのパッチの適用状況の検査やキー・ロガー対策,ローカル・キャッシュの暗号化と消去といった情報漏えい対策機能を持つ。インターネット・カフェなど誰もが使えるクライアントPCを業務に利用できるようにするのが狙いだ。

 今回新たに出荷するSG Clientも,Blue Coat RA用SSL-VPNクライアント・ソフトと同様に,買収した米Permeo Technologiesの技術を用いている。Blue Coat SGとBlue Coat RAは,現状では互いに独立した別製品だが,2007年末にはBlue Coat SGへと機能を統合する。つまり,Blue Coat SGは,Web/WAN高速化に加えてSSL-VPN装置を兼ねるようになる。これに合わせてSG Clientにも,2007年末にはSSL-VPNクライアントが備える機能を追加する。既存のBlue Coat RAユーザーに対しては,Blue Coat SGへのアップグレード・パスを提供する。