写真1●NECの大型サーバーNX7700iのセルカード
写真1●NECの大型サーバーNX7700iのセルカード
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写真2●デュアルコア・プロセッサを4個搭載するセルを引き出したところ
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 NECは12月6日,Itaniumプロセッサを搭載する大型サーバー「NX7700i」と次期Windows Server「Longhorn」(開発コード名)との組み合わせで,システムを停止することなくプロセッサとメモリーを交換する動的置換(ホット・リプレイス)に成功したと発表した。開催中の「iEXPO2006」では,実機を使ったデモを実施している。

 NX7700iはItaniumを最大32個搭載できる大型サーバー(写真1)で,NECのメインフレームOS「ACOS」やWindows Server,Linuxなどに対応している。NECでは既にNX7700iとACOSの組み合わせで,デュアルコア・プロセッサを4個搭載する「サーバー・セル」(写真2)単位でのプロセッサやメモリーの動的追加(ホット・アド)や,動的置換を実現している。また2005年10月に,NX7700iとLonghorn Serverの組み合わせによるサーバー・セルの動的追加に成功している(関連記事:Longhorn Severの新機能が明らかに,NECはパーティションの動的変更を検証)。

 今回NECが実証試験に成功したという動的置換は,プロセッサのキャッシュやメモリーのエラー率が高まるなどハードウエア障害の予兆を検出した際に,問題のあるプロセッサやメモリーをサーバー・セル単位で新しいものに交換する技術である。交換する際に,システムを停止する必要はない。

 動的置換の際には,まず交換用の新しいサーバー・セルを,無停止のNX7700iに追加する。この際,交換対象のプロセッサと交換用のプロセッサに割り当てられるプロセッサIDや,交換対象のメモリーと交換用のメモリーに割り当てられるアドレスなどは,すべて同一になる。その上で,システムを止めることなく,サーバー・セルを新しいものに切り替える。NECコンピュータ事業部製品技術部の横山淳技術エキスパートによれば「サーバー・セルを切り替える際に,一瞬画面が黒くなるなどのI/Oの瞬断があるが,サーバーの運用は止める必要がない」と語る。

 NECではすでに9月から,デュアル・コアのItaniumを搭載するNX7700iを出荷しており,既存のNX7700iでもファームウエアを書き換えることで,Longhorn Serverでのプロセッサやメモリーの動的置換に対応できるようになるとしている。