ドイツのソフトウエア大手であるソフトウェア・エー・ジーは本日、日本法人を設立し、本格的に営業を開始することを発表した。これまでは総販売代理店だったビーコンITがソフトウェアAG製ソフトの販売を手掛けていたが、今後は日本法人から販売する。同社は30年近く付き合ったビーコンITとの代理店契約を、9月末に終了させた。

 今回の日本法人の設立のきっかけは、ビーコンITの戦略転換にある。独ソフトウェアAGのカールハインツ・ストレイビッヒCEO(最高経営責任者)は「ビーコンITにおける注力分野が、当社のソフトではなくなった」と打ち明ける。

 ソフトウェアAG日本法人の福島徹社長は、今回の日本法人設立に当たって「既存の国内ユーザー企業200社を守る」と明言する。「まずは既存の200社における当社製品の利用実態を把握し、サポート体制を整えていく。その後順次、新規顧客の開拓を進めていく」(福島社長)。当面は約20人体制で、来年には人員数を2倍にする予定である。

 日本におけるパートナー戦略については、「富士通との関係は継続するものの、拡販やシステム構築力を一層高めるため、近いうちに国内のパートナー企業2、3社と組む計画だ」(福島社長)とする。ソフトウェアAGは、ソフトウエアの研究・開発分野で富士通と提携済み。SOA(サービス指向アーキテクチャ)に基づいたシステムを構築するための基盤ソフト「CentraSite」を共同開発し、出荷している。

 独ソフトウェアAGは1969年に設立され、メインフレーム向けデータベース「Adabas」やXML(拡張マークアップ言語)データベース「Tamino」、開発ツール「Natural」を手掛けるソフトウェアメーカーの老舗。今年からSOAを実現するためのソフト群「crossvision」を投入した。2005年度の総売上高は4億3800万ユーロ(約657億円、1ユーロ=150円換算)である。