ダイキン工業 IT推進室IT企画担当課長 小倉禎則氏
ダイキン工業 IT推進室IT企画担当課長 小倉禎則氏
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 「2006年11月で9700台のThunderbirdへの切り替えを完了した」---ダイキン工業 IT推進室IT企画担当課長 小倉禎則氏は12月6日,「C&Cユーザーフォーラム&iEXPO2006」で講演し,同社のメール・システムにおける取り組みを紹介した。ThunderbirdはMozilla Foundationが開発する,迷惑メール対策機能などを特徴とするオープンソースのメール・クライアント・ソフト。日本で大企業がThunderbirdを正式に導入した事例として公表されたのは,ダイキン工業が初めて。

 小倉氏は「オープンソースを活用した大規模メールシステムの再構築~ Directoryを用いたローミングアクセスサービスの実現 ~」と題して講演。

 同社では1999年からNetscape Communicator 4.7を標準Webブラウザおよびメール・クライアントとして使用していた。ユーザーに好評を得ていたのが,情報システム子会社のダイキン情報システムが開発した「ローミングアクセスサービス」と呼ぶ機能である。これは,別の支社のパソコンからでも,ユーザIDとパスワードを入力すると,ディレクトリ・サーバーから個人の設定情報がダウンロードされ,どこからでも自分のアドレス帳などメール環境が使用できる機能である。

 同社では2005年からThunderbirdへの移行を開始,2006年11月で9700台のThunderbirdへの切り替えを完了した。ローミングアクセスサービスも,Thunderbirdで以前と同様に実現した。Netscape Mailと同じ操作性を持つThunderbirdを採用したため,ユーザーの再教育も不要だった。ネットワークを増強しサーバーも冗長化構成とすることで,能力不足を解消し,停止することのないサービスの提供を実現したという。