しんきん共同システム運営機構は12月6日、約314万件の顧客の信用情報に誤った情報を登録していたと発表した。「借入金を返済していない」との情報が誤って登録されてしまう事象を11月24日に把握した。6人の顧客が銀行で融資を受けられないなどの不都合を被っているという。

 同機構は全国253の信用金庫の事務業務を請け負っている。各信用金庫が保有している顧客の信用情報を、全国銀行個人信用情報センター(個信センター)にまとめて送信している。個信センターは信用金庫のほか、都市銀行や地方銀行、カード会社など幅広い金融機関が加盟している。トラブルのきっかけは、個信センターが10月分から借入金を返したかどうかの「入金区分」を加えたこと。しんきん共同システム運営機構はこれに従って、信用情報のデータベースに入金区分を格納できるようにプログラムを変更した。

 しかし、プログラムに問題があった。同機構は、全顧客の314万件の入金区分を初期値である「請求はなく、入金もない」を示す「-」とすべきを、「請求した額の入金がまったくない」を示す「×」と設定してしまった。結果として、入金区分を参照した金融機関が、顧客の信用に問題ありと判断した。

 信用情報はカードローンの利用状況などで更新される。今回は10月末分の情報に誤りがあった。誤ったデータが個信センターに登録されていた期間は顧客の信用金庫が属する地域によって異なるが、しんきん共同システム運営機構は11月10日から12月1日までとしている。プログラムのミスは修正済みという。