リョーサンが展示した,冷却ファンの騒音を低減するユニット
リョーサンが展示した,冷却ファンの騒音を低減するユニット
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 リョーサンは2006年12月6日,ラックマウント・サーバー機の冷却ファンの騒音を低減させるためのユニットを,東京ビッグサイトで開催中の展示会「iEXPO2006」の展示ブースで出展した。横浜国立大学中野研究室との共同研究の成果であり,製品化パートナを募集している段階である。

 今回出展した騒音低減ユニットの仕組みは,サーバーのファンが発生する音が吸気と排気で対称型の反転位相になっているという特徴を利用し,音を音で打ち消すことで騒音を低減する,というもの。ファンをユニットに収納し,ユニット内で音を打ち消す。展示ブースでは,タワー型のきょう体に適した初期のユニットから,1Uラックマウント型サーバーに搭載可能なユニットまで,いくつかのタイプを披露した。

 会場では,音を打ち消すことでどれだけ音が低減できるかを,騒音モニターを用いてデモンストレーションして見せた。集音マイクが周囲の騒音をどれだけ拾っているのかは定かではないが,音を打ち消さないユニット近辺が86デジベル前後であるのに対して,音を打ち消すユニット近辺では81デジベル程度と,5デジベルほどの差があった。

 一般に,サーバー機はCPUなどが発する熱をきょう体の外部に逃がさなければならない。このため,ファンを利用して,外気をきょう体に取り入れるとともに,きょう体から外部に排気する。オフィスなどに設置する場合は,このファンの音が業務の生産性に影響を及ぼす。ラック・マウント型サーバーなどによって集積度が高まるにつれ,サーバー設置容積あたりのファンの数が増える。さらに,ラックマウント型サーバーでは,径が小さいファンを高回転で回すことにより,音が大きくなるという特徴がある。リョーサンの展示は,こうした問題を解決する糸口となりそうだ。

■変更履歴
当初,第3段落で『音を打ち消さないユニット近辺が「46デジベル」前後であるのに対して,音を打ち消すユニット近辺では「41デジベル程度」』としていましたが,正しくは86デジベル,81デジベルでした。お詫びして訂正します。本文は修正済みです。 [2006/12/08 12:54]