NTT東日本は2006年12月5日18時,同日10時56分に発生したひかり電話ビジネスタイプの障害から回復したことを発表した。12時10分に予備系の呼制御サーバーに切り替えたことで障害から回復し,以降は安定した状態が続いている(関連記事)。今回の障害は約823事業所に影響を与えた。12時30分時点でユーザーから状況確認の問い合わせが約670件あったという。

 今回の障害の原因は,ひかり電話ビジネスタイプ用の加入者系呼制御サーバーのソフトウエアの不具合が原因。通信を識別するための信号情報の重複が,3台あるうちの1台の呼制御サーバーあてに発生。この際,重複した情報をメモリー上から消去する処理が機能するはずだったが,「捨てていく機能が働かなかった」(NTT東日本)。そのため,サーバーのメモリー上に不要なデータが蓄積され呼処理に影響を与えたという。

 NTT東日本ではこの障害の措置として,12月6日の午前2時から3時頃にかけて,障害の原因となったソフトウエアの改修を実施する予定。その間にひかり電話ビジネスタイプが1分間程度利用できなくなるという。119番などの緊急呼も接続できなくなるが,「通信の状況を見ながら緊急呼に影響がないように作業する」(NTT東日本)としている。

 NTT東日本では9月19日から21日にかけて,今回と同じひかり電話ビジネスタイプの呼制御サーバーを発端としたふくそうが発生し通信規制などを実施した(関連記事1関連記事2)。だがふくそうが連鎖し,結果的につながりにくい状態が3日間も続いた。今回の障害ではサーバーの障害は発生したものの,通信規制は実施しなかった。つながりにくい状態も約1時間で解消した。