ソフトバンクテレコム(旧日本テレコム)は12月5日,経済産業省に対してディザスタ・リカバリ用のシステム環境基盤を提供すると発表した。災害時やシステム障害時でも業務が継続できるようにするもので,ソフトバンクテレコムの広域イーサネット・サービス「ULTINA Wide Ethernet」などを活用する。経済産業省のディザスタ・リカバリ用のシステムは2007年3月から順次使用可能となる。

 経済産業省の情報システムは霞が関の庁舎内に設置しており,首都直下型地震などに備えてデータのバックアップ体制や業務の継続体制を必要としていた。今回,経済産業省が採用したシステム基盤の概要は以下の通り。(1)首都圏から1600km離れた沖縄県のデータ・センターをバックアップ・センターとして活用すること,(2)省内のネットワークとバックアップ・センターは広域イーサネット「ULTINA Wide Ethernet」を使い100Mビット/秒で接続すること,(3)バックアップ・センターのインターネット接続は同社のインターネット接続サービス「ULTINA Internet」を活用すること,など。

 こうした構成を取ることで,首都圏の災害時でも同省Webサイトからの情報発信が継続可能となり,また防災担当官が災害対応の業務を遂行する上で必要なメールの送受信やファイル共有などが可能となる。経済産業省は従来から地方拠点との接続にソフトバンクテレコムのネットワークを採用しており,今回のシステム基盤も同一事業者の方が親和性が高いと判断した。