日本音楽著作権協会(JASRAC)や日本放送協会(NHK)など映像作品に関する国内の著作権関係権利者23団体は2006年12月5日,米国の動画共有サイトを運営する「YouTube」に対し,映像作品の違法なアップロードを事前に防ぐための具体策を実施するよう要請したと発表した。12月15日を期限に,今回の要請に対するYouTubeの回答をJASRACへ返答するよう求めた。

 23団体は2006年10月にも,YouTubeにアップロードされている違法な映像ファイルの削除を要請し,YouTubeはこれに応じて該当する約3万件のファイルを削除した。しかし,その後も多数の映像作品が違法にアップロードされる事態が続いているため,今回は事前の防止策を実施することを要請した。

 要請文書では,著作権侵害を防ぐための暫定的な対策についても提案している。具体的には,(1)YouTubeのトップページに日本語で,許諾のない著作物の公開が違法であることを明示すること,(2)投稿者に氏名と住所を登録させること,(3)過去に違法なファイルをアップロードしたユーザーのアカウントを無効にすること--を求めた。JASRACは,YouTubeからの回答があり次第,回答内容について23団体で検討するとしている。