タブレットPCの「ThinkPad X60 Tablet」
タブレットPCの「ThinkPad X60 Tablet」
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外光の反射を抑える「マルチ・タッチ/マルチ・ビュー」
外光の反射を抑える「マルチ・タッチ/マルチ・ビュー」
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中央は通常のタッチパネル液晶。右側が「マルチ・タッチ/マルチ・ビュー」
中央は通常のタッチパネル液晶。右側が「マルチ・タッチ/マルチ・ビュー」
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ThinkPadの開発を統括する内藤在正 副社長
ThinkPadの開発を統括する内藤在正 副社長
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 レノボ・ジャパンは2006年12月5日、電磁誘導式と感圧式と2種類のタッチパネル用センサーを備えたタブレットPC「ThinkPad X60 Tablet」を発表した。従来製品では電磁誘導式センサーのみのタッチパネルを採用していたが、感圧式のセンサーも組み合わせることで、専用ペンのほか、指の接触による操作も可能となった。

 「精度の高いペン入力ができる電磁誘導式に加えて、指でも操作ができるタッチパネルの機能を融合した」と研究・開発担当 内藤在正 副社長。細かい入力はペン、簡単な操作は指と、状況に応じて使い分けられる。ペン入力をしている際には手のひらが画面に触れても反応しないようにするなど、自動でセンサーを切り替える。

 表示品質を損なわないための工夫も加えた。通常の方法で感圧式センサーを画面に備え付けた場合、パネル内で外光が反射して画面が見づらくなってしまう。そこで、パネル内に偏光板を挟み込み、入射した外光を内部で遮断するようにした。通常の方式では10%ほどとなる外光の反射を、1.6%に抑えたという。画面の視野角は左右170度。同社はこの液晶画面を「マルチ・タッチ/マルチ・ビュー」液晶と呼んでいる。液晶はワコムと共同で開発した。

 画面を表側に向けた状態のタブレットモードにおける使い勝手も高めた。本体の向きを縦や横にユーザーが変えたときに、自動で画面表示の向きも切り替える「アクティブ・ローテーション機能を搭載。この機能は、ハードディスク保護のために衝撃を検知する加速度センサーの機能を利用している。また、タッチパネルの脇にカーソルを上下左右に動かせる「NavDial」ボタンも追加した。デジタイザーペンには、ペンの後部に消しゴム機能を備えた。

 「企業では複数のOSを使うことを敬遠する傾向がある。Windows XPではタブレットPCの専用OSが必要だった。これに対してWindows VistaではタブレットPCの機能が統合される」(ストラテジー&マーケティング担当 執行役員 石田聡子氏)とタブレットPCの需要拡大を見込む。東京大学の教育情報化プロジェクト「TREE」でThinkPad X60 Tabletを提供することも公表。販売台数は3カ月で5000台以上を見込む。

 発売は2006年12月下旬の予定。価格は26万1450円。画面は12.1型で解像度は1024×768ドット。CPUはCore Duo L2500(1.83GHz)、メモリーは512MB、ハードディスクは80GB。