フォン ワイヤレス リミテッドの創業者兼CEOのマーティン・バルサフスキー氏
フォン ワイヤレス リミテッドの創業者兼CEOのマーティン・バルサフスキー氏
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LaFoneraはアクトンテクノロジー(台湾)製。大きさは手のひらに載る程度だ。IEEE802.11bとIEEE802.11gに対応する
LaFoneraはアクトンテクノロジー(台湾)製。大きさは手のひらに載る程度だ。IEEE802.11bとIEEE802.11gに対応する
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 フォン・ジャパンは2006年12月4日、ユーザー同士のルーターを公開して、それらを公衆無線LANネットワークとして利用する新しいサービス「FON」を開始すると発表した。12月5日から専用ルーターの販売を開始する。

 FONを利用するには会員登録が必要。会員のタイプは「Linus(ライナス)」「Aliens(エイリアン)」「Bills(ビルズ)」の3種類がある。Linusは専用ルーター「LaFonera(ラフォネラ)」を購入し、そのアクセスポイントを開放するユーザー。Linusとなったユーザーは、ほかのアクセスポイントを利用するのは無料になる。AliensはLaFoneraを所有しないユーザー。LaFoneraを使ったネットワークを利用するのに1日500円程度かかる。BillsはLaFoneraを購入するのはLinusと同じだが、自分のアクセスポイントにAliensやほかのBillsが接続した場合に発生する収益から50%を受け取れる。ただし、自分がLinusやほかのBillsのアクセスポイントを使う場合には有料になる。

 日本では当面Linusのみが登録可能。「Aliensの登録はLaFoneraの設置数が1万~2万台までになってから。Billsに関しては、日本での展開は現在考えていない」(フォン・ジャパンの藤本潤一CEO)という。

 LaFoneraは通信相手を識別するための「SSID(service set identifier)」を2つ所有し、1つは自宅用、1つは公開用に設定されている。自宅用のネットワークと公開用のネットワークは遮断されるため、通信の安全を確保できる。また、どれだけのバンド幅を公開用に割り当てるかといった設定も可能だという。

 LaFoneraの購入はフォン・ジャパンのWebサイトで12月5日から開始する。価格は1980円だ。同サイトでは、12月5日から5日間限定で、LaFoneraを無料配布するキャンペーンも行う。

 プロモーションにはエキサイトと提携し、インターネット・サービス・プロバイダー(ISP)の「BB.excite」会員3000人のモニターにLaFoneraを無料で提供する。また、BB.exciteのユーザーは、BB.exciteで使うID、パスワードをそのままFONで利用できる。全国26店舗の「エキサイト・ブロードバンド・カフェ」にもLaFoneraを設置。 「ショッピング・エキサイト」では12月中旬からLaFoneraの購入が可能となる。ほかに、九十九電機とも協力し、店頭やネットショップで12月10日からLaFoneraの販売を開始する。

 FONは既に世界144カ国で展開されており、その会員数は約16万8000人に上る。「日本では2007年末までに7万5000カ所のLaFonera設置を目指す」(フォン ワイヤレス リミテッドのマーティン・バルサフスキーCEO)。現在は、韓国などアジアでの利用者数が急増しているといい、日本でのユーザー獲得にも自信を見せた。

■変更履歴
会員タイプのひとつを「Bill(ビル)」としておりましたが、正しくは「Bills(ビルズ)」の誤りでした。お詫びして訂正します。本文は修正済みです。[2006/12/14 14:05]