Windows Vistaの製品版が、いよいよ姿を現した。2006年11月初旬に、パソコンメーカーなどにプリインストール用として提供されるRTM(製造工程向けリリース)版が完成。11月30日には、企業向けにボリュームライセンスの提供を発表した。
編集部では、RTM版がインストールされたパソコンをいち早く入手して、Vistaの性能をチェックした。今回のテストでは、2次元(2D)の描画がXPに比べて大幅に遅くなることがあった。一方、XPよりも性能が向上した項目もあった。
起動や、省電力状態からの復帰はVistaの方がXPより速かった。起動時間(パソコンの電源ボタンを押してからデスクトップ画面が表示されるまでの時間)はわずかの差しかないが、復帰にかかる時間は半分。
ただし、省電力状態に入るまでの時間(XPの「スタンバイ」、Vistaの「スリープ」)はVistaの方が長い。Vistaには、メモリー内のデータをハードディスクにも書き込むことでデータの消失を防ぐ「Hybrid Sleep」と呼ぶ技術が導入されており、これが働いているためだろう。
Vista がXPに後れを取ったのは、2Dの描画性能。通常の作業をしている範囲では特に遅さは感じないのだが、Excelのマクロによるテストを実施したところ、画面の描画はXPの半分以下の性能となった。
原因として、透明なウインドウ枠などを特徴とする新ユーザーインタフェース「Windows Aero」の処理負荷が影響していることが考えられる。実際、Aeroを無効にすると2~3割性能が向上した。しかしそれでもXPには及ばないことから、それ以外の要素が関係している可能性もある。なお「3DMark 06」を使った3Dの描画テストの結果は、XPと大きな差はなかった。(PCオンラインでの詳細記事)
※テストに用いたパソコンはサードウェーブの「Prime Monarch LX」。CPUはCore 2 Duo E6600(2.4GHz)、メモリーは2GB。グラフィックスボードは「GALAXY 7900GS」を搭載する。