日本オラクルは11月29日、イベント駆動型アーキテクチャに基づくシステムを構築するミドルウエア製品群「Oracle Event Driven Architecture Suite(Oracle EDA Suite)」を発表した。2007年1月9日から出荷する。

 日本オラクルによると、イベント駆動型アーキテクチャは、RFID(無線ICタグ)や電子マネー、温度、湿度などの各種センサーなどから収集したデータから「イベント」を感知、分析し、必要な業務処理の実行につなげる仕組み。例えば流通分野で使えば、RFIDを利用して入荷情報や出荷情報を自動的に感知し、サプライチェーン・マネジメントのアプリケーションと連携して在庫管理業務を自動化、最適化するといったことが可能になる。

 また製造業向けには、RFIDを使った生産工程の管理・分析ソリューションや、センサーを使った生産設備の監視、保全のソリューションなどを想定している。

 イベント駆動型のシステムでは、手作業でシステムにデータを入力して業務を処理するのと異なり、RFIDなどからの大量のデータを高速に処理し、必要な業務プロセスを自動化する機能などが求められる。EDA Suiteは、以下の5種類の製品で構成され、イベントの感知や分析機能、業務処理の連携機能などを提供する。

 まず「Oracle Sensor Edge Server」が、RFIDなどの各種センサーからのイベント情報の収集、フィルタリング機能を提供。収集したデータを基に、「Oracle Business Activity Monitoring」がイベントやイベントのパターンを定義、分析する。そして「Oracle Enterprise Service Bus」「Oracle Enterprise Messaging」「Oracle Business Rules」が、定義されたルールに基づいて、イベントの通知やアプリケーション間の連携などを実行する。

 拡販に向け、同社のRFIDソリューション販売するパートナー5社の中から、EDA Suiteを担ぐパートナーを開拓する。三澤智光常務執行役員システム製品統括本部長は「イベント駆動型アーキテクチャの実装には、SOA(サービス指向アーキテクチャ)とRFID(無線ICタグ)の両方の技術が必要。まずは限定したパートナーと組んで始める」と話す。今年度(2007年5月期)中にパートナー3社程度と協業する狙いだ。

 EDA Suiteの価格は、1プロセッサ当たり750万円。今年度中に、リファレンスとなるユーザー10社程度への販売を目指す。