大手電機メーカー9社の2006年度中間決算
大手電機メーカー9社の2006年度中間決算
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 大手電機メーカー9社の2006年度9月中間期連結決算が出そろった。シャープ、三菱電機、松下電器産業などが営業利益率5%前後の好業績を示す一方、ソニーやNECなど4社が通期業績予想を下方修正するなど、メーカー間の業績格差が顕著に表れる結果となった。

 シャープは売上高、営業利益、純利益のいずれも中間期として過去最高を記録。主力の液晶テレビ、液晶パネル、携帯電話で堅調に売り上げを伸ばした。同社が今後の主力と位置付けている太陽電池や撮像素子なども好調に推移した。一方でパソコンは対前年同期比4割減と不振が続いている。三菱電機は、交通・発電などの「重電システム」と、携帯電話・情報システムなどの「情報通信システム」の2部門が前年同期の赤字から黒字回復を果たした。一方で「家庭電器」部門のうち、エアコンや冷蔵庫、DVDレコーダーなどは減収となった。松下電器産業は売上高で過去最高を記録。プラズマテレビ、液晶テレビ、デジタルカメラなどが好調で、携帯電話や日本ビクター部門の不振を補った。

 ソニーは、主力の「エレクトロニクス」部門こそ554億円の営業利益を計上したが、「ゲーム」の703億円、「映画」の164億円という営業損失を埋め切れなかった。ノートパソコン向けリチウムイオン電池の交換費用、「プレイステーション 3」の値下げと同製品向け部品の生産の遅れなどを理由に、営業利益の通期見通しを従来予想の1300億円から500億円へと大幅に引き下げた。NECは、情報システムと通信設備は従来通り堅調に推移しているが、携帯電話の出荷台数が対前年同期比4割減と不振が続く。当面は海外での新機種投入を凍結し、国内主体で回復を期す。半導体も依然として営業赤字だが、前年同期の115億円に対し今期は25億円と赤字幅は縮小している。

 三洋電機は、営業利益こそ不採算部門のリストラなどにより期初予想を上回ったものの、基幹事業と位置付けている携帯電話とデジタルカメラの売り上げが不振で、通期の営業利益の見通しを従来予想の650億円から350億円へ下方修正することを余儀なくされた。店舗向けショーケース・大型エアコン・医療機器などの「コマーシャル」部門と、電子部品・2次電池・太陽電池などの「コンポーネント」部門は、売り上げ増に加え不採算部門の切り離しなども奏功し回復基調にある。