日本ヒューレット・パッカード(HP)と日本オラクルは11月28日、SOA(サービス指向アーキテクチャ)に基づくシステムの導入を促進するために、協業することを発表した。日本HPは昨年11月に、ソリューションの検証施設を開設した際、日本BEAシステムズとマイクロソフトの2社とSOA導入に関する協業体制を整えた(関連記事1)。今回の協業で、日本HPは日本オラクルが持つデータ統合の方法論を手に入れることができる。一方、日本オラクルは、大手ベンダーである日本HPの販売網を利用することができるようになる。

 日本HPのテクノロジーソリューション事業統括コンサルティング・インテグレーション統括本部ソリューション戦略本部の酒井孝雄本部長は、「SOAにおいて、データをどのように統合したり、連携したりしていくかで苦労することが多く、日本オラクルのノウハウをいち早く吸収したい」と協業の狙いを話す。

 協業内容は、主に三つある。一つは、日本HPの「サービス指向コンサルティンググループ」と日本オラクルの「SOAコンサルタントチーム」が、相互にノウハウや導入方法論、テンプレートを共有する。日本オラクルからは、SOA関連のミドルウエアや、DOA(データ中心アプローチ)の手法を活用したデータ統合の方法論を提供。日本HPは、SOA導入に関するシステム・インテグレーションのノウハウを共有できるようにする。

 二つ目は、日本HPの検証施設「SOAコンピテンシー・センタ」で、両社のエンジニアがオラクルのミドルウエア群「Oracle Fusion Middleware」を検証する。検証に基づいた提案を複数パターン作成するほか、検証結果そのものをホワイトペーパーにまとめ、パートナー企業に提供していく。

 三つ目は、日本HPでSOAに基づいたシステムの導入を手がける「サービス指向コンサルティンググループ」に対して、日本オラクルがオラクル製品のトレーニングを実施する。対象となる日本HPのコンサルタントは20人。案件数が拡大すれば、順次、増員していく。

 今回の協業により、「SOAのコンサルティングとシステム・インテグレーションでは日本でナンバーワンを取りたい」(酒井氏)。両社は、SOAの導入に関連する売り上げを、毎年倍増させていいきたい考えだ。