NECのセキュリティ製品「InfoCage」の画面
NECのセキュリティ製品「InfoCage」の画面
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 NECは,同社のセキュリティ製品「InfoCage」とパートナー企業の製品とを連携させることで,システム全体のセキュリティを強化する新制度「InfoCage Works(インフォケイジ・ワークス)」を来年1月末に発足させる。トレンドマイクロ,コクヨS&T,クリアスウィフトなど約10社が参加を予定。NECでは,インフォケイジ・ワークスを軸にした協調型セキュリティ関連ビジネスで,2009年度までに600億円の販売を見込む。

 インフォケイジ・ワークスでは,パートナー企業と連携した「協調型セキュリティ」によって,オフィス内の紙文書から電子データ,ネットワークまでを統合的に管理し,PCやサーバなどのセキュリティ機能を相互に連携することで,攻撃からの予防機能を高め,被害を局所化することを狙う。具体的には,製品連携のレベルに応じ,3つのフェーズに分けて取り組みを進める。

フェーズ1:相互検証製品の提供
複数製品を導入した時に不具合が発生するリスクを低減するため,事前に同時導入した場合の評価を行うことで動作保障する。

フェーズ2:製品間連携の実現
NECのInfoCageとパートナー製品を組み合わせることで,新たなセキュリティ機能を提供する。例えば,電子メールのフィルタリング製品と電子ファイルの暗号化製品を連携させることで,暗号化されていない添付ファイルをフィルタリングによって送信させないようにする。重要ファイルがメール経由で流出するリスクを軽減できる。

フェーズ3:製品の共同開発
製品のAPI開示などにより,高いセキュリティ機能を持った製品を共同開発する。例えば,新種のウイルス感染などの問題が発生した時に,パートナー製品からInfoCageに警告やエラーを通知し,InfoCageから各セキュリティ製品に対策を指示する。複数製品が状況に応じて設定やポリシーを動的に変更することで,セキュリティ被害を局所化できる。

 NECは,InfoCageの新製品も併せて発表した。PCに総合的な情報漏えい対策を施す「PCセキュリティ」(2万5200円/1ライセンス),クライアント側にソフトウェアのインストールが不要なエージェントレスの検疫システム「PC検疫システム」(94万5000円/100ライセンス),ID・アクセス管理の一元化を実現する「SECUREMASTER(セキュアマスタ)」(157万5000円/500ライセンス)の3製品。11月末から2007年1月末にかけて順次出荷する。