文教市場向けのシステム販売に特化する京セラ丸善システムインテグレーション(KMSI,東京都港区,北村寛社長)は11月24日から,大学などの教育機関向けに,携帯電話を活用した授業運営支援システム「アカデミアCRV」の販売を開始する。

 同システムは,杏林大学の大河戸(おおこうど)光章助手の発案により共同開発し商品化したもの。杏林大学では18年度から一部の授業で導入している。携帯電話を出欠確認などに利用する大学は珍しくないが,アカデミアCRVでは携帯電話を授業の運営そのものに幅広く活用するのが特徴だ。

 具体的には,学生の携帯電話を端末として利用し,出欠確認のほか,アンケートや簡単なテストの実施および即時集計を行う。また学生からの質問や意見の受け付けや,教員から学生への連絡手段としても携帯を使う。教員の側も,携帯電話を使って集計結果を確認できる。

 杏林大学の場合,授業中にアンケートを実施して,プロジェクタで結果を直後に見せるといった取り組みにより,学生の興味を引き出すことができたという。また,テストや出欠の集計といった,教員の負担の大きい作業を大幅に省力化できた。

 KMSIはアカデミアCRVの独占販売権を取得しており,システムのカスタマイズや導入支援,保守サポートまで手掛ける。価格は学生数が500人の場合で210万円から。初年度に20大学のユーザーを獲得し,1億円売り上げるのが目標だ。