FPGAを用いたウイルス対策装置
FPGAを用いたウイルス対策装置
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 独立行政法人産業技術総合研究所は2006年11月22日,コンピュータ・ウイルスをネットワーク上で検知して除去する機能をFPGA(Field Programmable Gate Array)で実現したシステムを開発し,動作を実証したと発表した。2基のネットワーク・ポートを搭載した評価ボードを用い,ネットワーク上を流れるIPパケットを検査してウイルスを除去したほか,ウイルス・パターンの更新にともなうハードウエア回路の自動更新を実証したという。3年から5年以内の実用化を目指す。

 従来,シグネチャ・ベースのウイルス対策は,パターン・ファイルの更新が必要であるため,汎用パソコン上のウイルス対策アプリケーション・ソフトウエアで実現するのが一般的だった。今回,ウイルス・パターンの更新に合わせてハードウエア回路を動的に組み替えるシステムをFPGAで実現したことで,パソコンのCPU負荷を低減しつつ,パソコンよりも高速なウイルス対策を可能にしたという。

 実証システムで用いた基盤はネットワーク能力が低速であるが,FPGAの処理能力自体は10Gビット・イーサネットのトラフィックをリアルタイムに検査可能であるという。写真を見る限り,ALTERAのFPGAチップを用いている。

 同研究は,文部科学省の都市エリア産学官連携促進事業の一環として,つくば研究支援センターからの委託を受けたもの。技術の詳細は,2006年11月28日から30日まで北九州国際会議場で開催するデザインガイアで発表する。