写真 情報通信審議会電気通信事業部会第69回の様子
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 総務省の諮問機関である情報通信審議会は11月21日,2007年1月から実運用が始まるユニバーサル・サービス制度の交付金額や負担金額に対し,要望事項付きで認可する旨の答申を総務省に提出した。

 ユニバーサル・サービス制度は,電話サービスを全国で提供するために必要な費用を通信事業者全体で負担する制度。交付額や負担額を算定する電気通信事業者協会(TCA)は,2006年度の東西NTTへの補てん額(交付額)を151億7794万1715円,通信事業者の負担額は1電話番号当たり月額7円とする認可申請を9月に総務省に提出していた。

 情報通信審議会が要望付きの認可とした理由は,9月29日から10月30日まで実施した意見募集で消費者団体を中心に多くの意見が寄せられたため。特に東西NTTに対し,「ユニバーサル・サービス全体の収支改善に取り組むべき」,「ユニバーサル・サービスの費用の情報を公開すべき」,「基本料金の級局格差をなくすべき」とする声が多くあった。

 そこで総務省に対し,以下の五つの要望を出した。東西NTTのユニバーサル・サービスの提供にかかわる(1)経営効率化の推進と(2)情報開示の促進,(3)基本料金の見直しの継続的な検討,(4)制度の見直しの検討,(5)ユーザーへの周知徹底,である。

 (1)は東西NTTに対し,経営効率化の実績,携帯電話やIP電話の普及による収支への影響分析などの報告を求める。総務省はそれを基に必要な対策を講じる。(2)は同じく東西NTTに対し,高コスト地域や第一種公衆電話の設置状況など,ユニバーサル・サービスに関する情報の一層の開示を求めるもの。(3)の基本料金の見直しは,原則として「東西NTTの経営判断に委ねるべき」としたが,継続的に見直すことを要望した。