DriveTrustを搭載する、デジタルビデオレコーダー向け3.5インチ型HDD「DB35シリーズ」
DriveTrustを搭載する、デジタルビデオレコーダー向け3.5インチ型HDD「DB35シリーズ」
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Windowsの起動が始まる前に、HDD内のプログラムが働きパスワードの入力を要求する(画面は試作版)
Windowsの起動が始まる前に、HDD内のプログラムが働きパスワードの入力を要求する(画面は試作版)
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プロダクトマーケティング・マネージャーのジョニ・クラーク氏
プロダクトマーケティング・マネージャーのジョニ・クラーク氏
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 米シーゲイト・テクノロジーは2006年11月20日、ハードディスク(HDD)の盗難による情報漏えいを防ぐための暗号化技術「DriveTrust(ドライブトラスト)」を発表した。既にデジタルビデオレコーダー向けの3.5インチ型HDD「DB35シリーズ」にこの技術を搭載しており、2007年1月~3月期に投入予定のノートパソコン向け2.5インチ型HDD「Momentus 5400 FDE.2」にも搭載する。また、同技術の標準化も目指す。

 DriveTrustは、HDDに読み書きするすべてのデータをHDD自身が暗号化する。OSを起動する前にHDD内の独自のプログラムが働き、パスワードを入力することでHDD内の情報にアクセスできるようにする。このためHDDの盗難による情報漏えいを防止できる。HDD内に独自のチップを搭載しており「暗号化による読み書き速度の低下はほとんど感じないレベルで、パソコン本体のCPUにも影響はない」(プロダクトマーケティング・マネージャーのジョニ・クラーク氏)という。

 専用のチップを搭載したHDDのほか、専用のアプリケーションも必要となる。HDD自身による読み書きの暗号化のほか、HDD側が認証した以外のパソコンで使用する際に、さらに認証が必要となる「Drive Pairing(ドライブペアリング)」や、暗号コードを変えることで1秒未満でHDD内の全データを実質的に消去する「Secure Erase(セキュアイレース)」などの機能もある。また、ソフトウエアベンダーがアプリケーションを用意すれば、パスワードの入力を指紋認証形式にするなどの変更が可能。

 シーゲイトは、自社開発のアプリケーションに加えて、DriveTrus用のソフトウエア開発キットをソフトウエアベンダー向けに提供することでアプリケーションの開発を促す。さらにコンピューターセキュリティの標準化団体「Trusted Computing Group(TCG)」を通じて、DriveTrustの標準化を推進する。