マイクロソフトは11月16日,Windows Vistaのライセンス形態や販売形態に関するプレス向けの説明会を開催した。Windows Vistaでも,Windows XPと同様にライセンスの移管が自由にできることや,仮想マシンを使う際のライセンス上の注意点などが説明された。

 ライセンスの移管とは,パッケージ版Windows Vistaの既存インストールを削除して,他のパソコンにインストールし直すこと。パソコンにバンドルされたOEM版Windows Vistaは,他のパソコンに移管できない。DSP版Windows Vistaは,ライセンスと同時に購入したパーツを搭載するパソコンで使用するのが原則だが,パーツと同時に他のパソコンに移管できるという考え方になる。

 ライセンスを移管した際には,再アクティベーションが必要になる場合がある。オンラインでアクティベーションできる回数には制限があるので,上限を超えた場合は,電話を使ってアクティベーションする。

ゲストOSになれるのはBusiness/Ultimateのみ

 ライセンスの変更点で注意すべきなのは,仮想マシンに関するものだ。Windows Vistaは,すべてのエディションを仮想マシンのホストOSとして利用できるが,ゲストOSとして仮想マシンにインストールできるのは,「Windows Vista Business」と「Windows Ultimate」だけになる。

 ゲストOSとしてWindowsをインストールする際には,ゲストOS用に個別のライセンスが必要になるが,Windows Vista Businessにソフトウエア・アシュアランスを追加購入したボリューム・ライセンス契約ユーザー(別の言い方をすると「Windows Vista Enterprise」を利用できるユーザー)には,ホストOS用に1個,ゲストOS用に4個のWindows Vistaを1台のマシンにインストールする権利が与えられる。

 なおWindows Vistaでは,これまでおなじみの「エンドユーザー使用許諾契約書(EULA,End User License Agreement)」という名称が変更され,単なる「ライセンス条項」になる。

64ビット版メディアは実費で請求

 店頭に並ぶWindows Vistaのパッケージに入っているDVD-ROMメディアは,32ビット版だけになる。64ビット版のインストール・メディアや,CD-ROMのインストール・メディアが必要なユーザーは,マイクロソフトに対して実費(1000円程度)でメディアを請求できる。ただし,Windows Vista Ultimateのパッケージには,32ビット版と64ビット版の両方のメディアが入っている。

 DSP版に関しては,32ビット版と64ビット版で製品が別になる。ただしWindows Vista UltimateはDSP版であっても,32ビット版と64ビット版の両方のメディアが入っている。

 Windows Vistaには「Windows Anytime Upgrade」という,OSのエディションを後からアップグレードする仕組みが搭載されており,マイクロソフトはオンラインでアップグレード・パスを提供する予定だが,仕組みや価格については「現在検討中」とだけ述べている。