NECの「i-PX9000 モデルA200」
NECの「i-PX9000 モデルA200」
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 NECは11月16日、メインフレームの上位機種「i-PX9000 モデルA200」(写真)を発表した。米インテルのデュアルコアCPUであるItanium 2の9000番台(開発コード名:Montecito)を搭載し、OSとしてACOS-4/VXのほか、HP-UX11i v2、Red Hat Enterprise Linux v4、Windows Server 2003を動作できる。伊藤行雄執行役員は、A200について、「ニーズに応えて、主に製品の拡張性や、パフォーマンスおよび運用操作性を向上させるための機能強化を図った」と語った。

 i-PX9000 モデルA200の特徴は、一つのきょう体内に最大48個までCPUを搭載できること(一つのOS当たり、最大32CPUまで)。現行モデルのA100は、最大24個までCPUを搭載できる。加えて、同一のデータを常に二つのメモリー・ブロックに書き込む「メモリーミラー」機能を搭載。通常のメモリー管理機能では復旧できない障害が主記憶で発生した場合に、別のメモリー・ブロックで処理を継続できるようにした。

 主記憶とディスクアレイ装置をつなぐ拡張記憶装置(EMU)に関しても強化した。光コネクトのスループットを2Gbpsから10Gbpsに引き上げたほか、記憶容量を32GBから256GBに拡大。データ転送時間も従来の2分の1に短縮させた。これがクラスタ・システムにおける処理切り換えの高速化につながることから、クラスタ構成を採る場合に障害発生時のシステム・ダウンタイムをゼロにできるという。

 運用関連では、管理ソフトにワークロード・マネジャ機能を追加。業務ごとにCPUリソースの配分目標を設定できるようにした。周辺機器も拡充し、イーサネットでつなげる4000行/分の中速ページ・プリンタや、チェンジャ型の仮想テープ装置などを提供する。A200のレンタル料金は月額1230万円から。2007年3月20日に出荷開始する。

 伊藤執行役員は、「2004年にACOS機でItaniumを採用して以来、ユーザー企業がACOSの継続性に安心感を抱くようになった」と話す。メインフレーム市場は年率マイナス20%程度の縮小傾向にあるが、NECはメインフレームの買い替え需要を取り込むことに成功。2005年は、2004年に比べ台数ベースで105%増になったという。同社はA200について、今後3年間で400台の販売を見込んでいる。

 併せてNECは、i-PX9000シリーズのロードマップを発表した。2007年には、A200の下位機i-PX9000 Sモデルのラインアップを強化。2008年には、米ユニシスのメインフレームなどと共通のサーバー・プラットフォームをベースに、次世代i-PX9000を発表する。これとは別に、同社のブレード・システム「SIGMABLADE」に格納するACOSブレードも提供する計画だ。