産業技術総合研究所は2006年11月15日,DVD-ROMから起動してそのまま利用できる1CD/DVD Linux(CD/DVD起動Linux)の新版「Xenoppix(x86/x86_64)ハイブリッド版DVD)」を公開した(写真)。
新版では普及台数が多いx86搭載機で起動しても,米Intel社のCore 2 Duoや米Advanced Micro Devices社のAthlon64などの64ビット・プロセッサ搭載機で起動しても,Xenを用いないノーマル・カーネル・モードとXen 3.0.3を用いたモードの両方を利用できる。
新版ではさらに,Xenの最新バージョン3.0.3を取り込んだことで,さまざまな新機能が追加された。Xenには,特別なカーネルを用いて高速に動作するパラ・バーチャライゼーションと,無修正のカーネルが使えるものの比較的動作速度が遅いフル・バーチャライゼーションという2種類の動作モードがある。新版では,フル・バーチャライゼーションでゲストOSを動作中に,ネットワーク・ドライバのみをパラ・バーチャライゼーション化してより高速に通信できるようになった。
このほか,SMP構成のパソコン上でフル・バーチャライゼーション動作時に仮想マシンに割り当てるCPUの個数を設定可能,Xenの管理用仮想マシンであるドメイン0とそれ以外の仮想マシンへのメモリー割り当て設定の簡略化,などの改善が施された。