表1 TOP500プロジェクトが公表したスパコン世界ランク 黄色の部分が新たにトップ10にランクインしたスパコン
表1 TOP500プロジェクトが公表したスパコン世界ランク 黄色の部分が新たにトップ10にランクインしたスパコン
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 全世界で稼働中のスーパーコンピュータの500位までの性能を集計しているTOP500プロジェクトは11月13日、最新のランキングを公表した(表)。TOP500は6月と11月の年2回、発表しているが、今回は前回6月に比べて、トップ10の中で半数の5システムが入れ替わった。

 1位は前回と同様に米IBMの「eServer Blue Gene」で、米エネルギー省ローレンス・リバモア国立研究所が所有する。2位は米サンディア国立研究所が新たに設置した、米クレイ「Cray Red Storm」。米AMDのOpteronプロセサを搭載している。3位は米IBM研究所が所有する「eServer Blue Gene」で、前回は2位だった。

 このほか、米IBMのブレード・サーバー・システム「BladeCenter JS21 Cluster」が5位にランクイン。Powerプロセサを搭載しており、スペインのバルセロナ・スーパーコンピューティング・センターが導入した。ブレードの枚数を増やすなどで能力を増強し、前回の11位から上昇した。

 なお、日本勢は後退した。米サン・マイクロシステムズ/NECが「Sun Fire X4600 Cluster」を利用して構築した、東京工業大学の「TSUBAME」が9位となった。前回7位だったが、今回はシステム能力を追加してトップ10内に踏みとどまった。また、NECが海洋研究開発機構に納入した地球シミュレータは前回の10位から14位まで後退。これによって、トップ10内からベクトル型のスパコンが姿を消した。

 なお、TOP500プロジェクトは、ランキングを11月14日に正式に発表する。米タンパで開催中のスパコンの国際的な会議「SC06」の会場で披露する。