PGP NetShareで閲覧を許可するユーザーの公開鍵を指定する
PGP NetShareで閲覧を許可するユーザーの公開鍵を指定する
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 公開鍵暗号方式を用いた企業データの暗号化ソフトを手がける日本PGPは,同社が従来から手がける電子メールの暗号化と署名に加え,今回新たに,クライアントPCやファイル共有サーバー上のファイルを暗号化するソフトを2006年11月13日に出荷した。

 PGPは,「PGP」(Pretty Good Privacy)と呼ぶ公開鍵暗号方式を応用した電子メールの署名・暗号化ソフトとして知られている。S/MIMEやSSL(Secure Sockets Layer)などのように信頼できる第三者の署名(デジタル証明書)を用いるPKI(Public Key Infrastructure)モデルとは異なり,メールをやり取りする相手の公開鍵を何らかの方法で入手することで署名と暗号化を実現することが特徴。公開鍵はインターネット上の公開データベースに登録するほか,知り合い同士で共有するなどの方法が採られる。

 今回新たに,PGPの公開鍵と秘密鍵を電子メール以外の使い方に適用するソフト2種類が登場した。クライアントPC上のディスク全体を暗号化する「Whole Disk Encryption」と,ファイル共有サーバー上のファイルを暗号化する「NetShare」である。例えばNetShareでは,PGPの公開鍵暗号方式を応用し,あらかじめ許可されたユーザーだけがファイルを復号できるようにする。ファイル・サイズは多少増えるが,復号を許可するユーザーを複数人指定することもできるという。

 なお,PGPによるメール署名・暗号化製品としては,個人のデスクトップ上で稼働させる形式に加えて,企業の内部統制需要を狙った製品も用意している。メールをアーカイブ保存する需要に応えるため,個人によるメール暗号化を抑制するとともにサーバー側で暗号化を肩代わりするソフト「Universal Server」を出荷済みである。