複数の米国オンライン・メディアや、サン・マイクロシステムズでJavaプラットフォームのチーフ・エンジニアをつとめるマーク・レインホルド氏のブログによると、サンがJavaをオープンソース化し、GPLバージョン2に基づく配布ライセンスを採用する。詳細は現地時間の13日9時30分(日本時間14日2時30分)に、Webによるライブ配信を通じて正式に発表する。対象は組み込み用のJava ME(Micro Edition)、クライアント向けのJava SE(Standard Edition)、企業システム向けのJava EE(Enterprise Edition)のすべてである。

 レインホルド氏のブログによると、最初に公開するのはJDK(Java開発キット)に含まれるJavaコンパイラと、実行環境であるJava仮想マシン(VM)のソース・コード。その他のモジュールについては2007年前半までにオープンソース化する。またJavaの開発コミュニティ・サイトであるjava.net内に「OpenJDK」プロジェクトを立ち上げ、JDKの改訂の管理などを進めていくという。

 すでにJavaOne 06などでサンはJavaのオープンソース化を進める方針を明らかにしていたが、GPLの採用はやや予想外の印象がある。サンはこれまで互換性などを楯にソース・コードの改変を認めていないライセンス(CDDL:Common Development and Distribution License)を採用してきた。しかしCDDLは「オープンソースではない」という批判を受け、開発者の納得が得られなかった。このため、CDDLよりはゆるやかな独自ライセンスを採用するものと予想されてきた。今回GPLを採用することにより、改変した結果のソース・コードも公開が義務づけられる。このことが、“勝手Java”に対する抑止力にもなると判断したものと思われる。