写真 「事業ビジョン2010」を発表するNTTコミュニケーションズの和才博美社長
写真 「事業ビジョン2010」を発表するNTTコミュニケーションズの和才博美社長
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 NTTコミュニケーションズ(NTTコム)は11月10日,中間決算の発表に合わせ,「事業ビジョン2010」と銘打った成長戦略を発表した。これは,NTTグループ内の大手企業向けの法人営業と上位レイヤー事業をNTTコミュニケーションズに集約するという,8月に実施された事業再編を受けたものだ。法人営業と上位レイヤー事業双方のシナジー効果を追求していく。

 法人向け事業では,CMでも使っている「ICT Solution Partner」のブランド・メッセージにのっとり,コンサルティング型のソリューション営業などを強化する。ネットワークやITシステムと企業の経営戦略を結び付けることで顧客を囲い込む狙いだ。

 ネットビジネスについては,新たに「“CreativE-Life”for everyone」というブランド・メッセージを設定。ポータル・サイト「goo」を中心に,サービス開発を進める方針である。今後は検索エンジン技術の進化や機能追加により,特に企業利用を促し,法人向け事業と連携させる。

 NTTコムの和才博美社長は,「新たな事業ビジョンは,当社の“第2の創業期”として打ち出したもの。情報通信社会に存在する使命として,『つなぐ』という仕事にこだわる」と述べた(写真)。ネットビジネスの強化については,「プロジェクトによっては有識者や調査会社など,必要に応じて外部の人材を招聘して進める」(和才社長)方針だ。

 ただ,NTTコムの2006年度中間決算は,売上高が5474億円(前年同期比0.1%減)と減収となった。営業利益は同7.3%減の318億円,経常利益は同5.2%減の361億円。前年同期比で特別損失が大幅に減ったため,中間純利益は534.2%増の179億円だった。