非接触ICカード技術「モバイルFeliCa」を搭載した携帯電話機による決済サービスが2004年7月に始まってから2年以上が過ぎた。サービスをけん引しているのはNTTドコモで,対応する携帯電話機のユーザー数は2006年9月末で約1600万人に達した。

 同社は2005年12月に「iD」というブランド名で決済プラットフォームを立ち上げ,出資先の三井住友カードがiD対応のクレジット決済サービスを開始した。さらに自らも決済サービスに参入し,自社の携帯電話ユーザーを対象としたクレジット決済サービス「DCMX MiNi」を2006年4月に始めた。

 並行してiDを採用するクレジットカード会社の開拓も進め,ユーシーカードやクレディセゾンなどが決済サービスを提供している。携帯電話機を利用した決済サービスの市場開拓に突き進むNTTドコモだが,「携帯電話業界全体でみると,こうした同社の取り組みが逆に市場の早期拡大を妨げている」という見方も出てきた(詳細は日経ニューメディア2006年11月13日号に掲載)。