2007年3月期第2四半期決算説明会で質問に答えるソフトバンクの孫正義・代表取締役社長
2007年3月期第2四半期決算説明会で質問に答えるソフトバンクの孫正義・代表取締役社長
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 ソフトバンクモバイルは11月9日,前日開催したソフトバンクの2007年3月期第2四半期決算説明会(関連記事,写真)で回答を保留していた「携帯IP接続サービス」の純減理由について,「プリペイドが要因の主なところ」と説明。同社の携帯電話の純増数には,プリペイド(料金前払い)携帯電話の契約数が大きく貢献していることが明らかになった。

 電気通信事業者協会(TCA)が毎月公表する「携帯電話・PHSの契約数」(10月末時点の数値に基づく関連記事)には,「携帯IP接続サービス」の名称で携帯電話からWebサイトやEメールなどを利用するサービスの項目がある。TCAでは携帯IP接続サービスとして,NTTドコモの「iモード」,KDDIの「EZweb」,ソフトバンクモバイルの「Yahoo!ケータイ」を挙げている。ただし,Yahoo!ケータイはポータル・サイトの名称であるため,正確には「S!ベーシックパック」などの加入者数を表している。メールなどが普及している現在では,ほとんどの新規契約者がこれらのサービスを申し込んでいる。

 10月の各社の携帯IP接続サービス加入者の増減は,NTTドコモが1万3400の純増,KDDIが23万4400の純増だったのに対し,ソフトバンクモバイルだけがマイナス1万8000と純減だった。10月の携帯電話自体の契約数はNTTドコモが4万800,auとツーカーを合計したKDDIグループ全体は20万600,ソフトバンクモバイルは2万3800と3社とも純増だった。NTTドコモとKDDIは機器などに組み込む携帯モジュールを提供しているため,この数を考慮すれば携帯IP接続サービスの純増と携帯電話契約の純増のかい離も説明できる。参考までに,10月のNTTドコモの携帯モジュール純増数は3万4500である。

 ソフトバンクモバイルでは,携帯電話契約数が純増であるにもかかわらず携帯IP接続サービスが純減するというねじれ現象が続いていた。今回,ソフトバンクモバイルが説明した内容によればプリペイド携帯電話はWebサイトへの接続ができないため,携帯IP接続サービスの加入者には含まれないことが原因という。プリペイド携帯電話の契約数が増加する一方で,月額の既契約者の解約が進むと携帯電話契約数は純増ながら,携帯IP接続サービスが純減という結果も起こりうる。なお,同社ではプリペイドの契約数は非公開としている。