東洋ビジネスエンジニアリング(以下B-EN-G)など国産パッケージベンダー10社と日本オラクルは11月9日,内部統制支援システムの提案活動強化を目的とした共同プロジェクト「CONTROL2006」について発表した。

 参加するのはB-EN-Gのほか,インサイトテクノロジー(神奈川県茅ヶ崎市,小幡一郎社長),インフォファーム(岐阜市,辻博文社長),ウイングアーク テクノロジーズ(東京都港区,内野弘幸社長),エス・エス・ジェイ(東京都品川区,佐藤祐次),住商情報システム,ディサークル(東京都中央区,西岡毅社長),日立ソフトウェアエンジニアリング,フレームワークス,三菱電機インフォメーションシステムズ(東京都港区,志岐紀夫社長)。

 共同プロジェクトを立ち上げた11社は現在,日本オラクルのSOA基盤製品「Oracle BPEL Process Manager」などを活用して,複数のパッケージに横断的に適用できる内部統制支援のプロセスを効率よく構築するためのノウハウ蓄積を目指している。

 具体的には,まず「業務フロー設計チーム」と呼ぶ共同チームが,公認会計士のガイドラインに則して,さまざまな業務フローを設計した。「ユーザーの業務を熟知しており,内部統制の要件を判断できるメンバーを募った」と日本オラクルの遠藤アライアンスビジネス統括本部ビジネス推進部ディレクターは語る。

 設計した業務プロセスは,業務処理統制に関しては,販売プロセス,購買プロセス,生産・資産管理プロセスで,計15種類。IT全般統制に関しては,情報システムに関する運用業務の統制活動,セキュリティに関する統制活動のほか,情報システムに関する活動の全般的な監視の仕組みなど,5種類である。「ユーザーの業務を熟知しており,内部統制の要件を判断できるメンバーを募った」(日本オラクルの遠藤ディレクター)。

 業務フロー設計チームは,日本オラクルの検証センターに各社の製品を持ち込み,設計した業務フローを実装しテストした。遠藤ディレクターは「Oracle BPEL Process Managerを使うことにより,個々のパッケージに手を入れる必要はほとんどなくなる。実際,システムの連携や検証作業は2週間程度で終わった。業務フローの設計工程は従来と変わらないが,実装工程の生産性は格段に向上した」と話す。

 11社がCONTROL2006を立ち上げるきっかけとなったのは,毎秋B-EN-Gが開催しているMCFrameのイベント「MCFrame Forum」向けの企画だったという。仮想企業を舞台に,複数のパッケージをOracle BPEL Process Managerで連携させるデモを披露しようと参加企業を募っているうち,「イベント向けの一時的な取り組みで終わるのはもったいない」という声が参加各社から出てきたという。

 参加企業の1社である住商情報システムの竹村慎輔ProActive事業部ProActive事業推進部長は,「ユーザー企業は,2つのシステムを連携させることには積極的だが,内部統制の実現に必要な広範なシステム連携には積極的でないので,ベンダーの垣根を越えた連携の具体策を示せることには大きな意義がある」と期待を寄せる。

■変更履歴
初出で東洋ビジネスエンジニアリングの略称に誤りがありました。正しくはB-EN-Gです。お詫びして訂正します。 [2006/11/14 11:00]